「自宅の屋根が汚れてきたので塗装を考えているけど、所々屋根材が割れている気もする…塗装よりも屋根材の張替えの方が良いのだろうか？」
このようにお悩みではありませんか？
屋根の劣化状況により塗装よりも屋根材の張替えが良いケースもあります。
しかし、屋根材の状態によっては張替えではなく「カバー工法」がベターであることも考えられますので、まずは点検から始めてみることをおすすめします。
また、カバー工法も万能ではなくメリットやデメリットがありますので、その点も考慮しながら最良の選択をしていくと良いでしょう。
そこで今回は「屋根のカバー工法」のメリットとデメリットについてお話ししますので、どうぞ最後までお読みください。
屋根カバー工法にはメリットとデメリットがある
既存屋根に新規屋根材を設置する施工方法が屋根カバー工法で、解体工事を伴わないことから屋根葺き替え工事よりも費用が安く、工期が短いというメリットがあります。
しかし、部分的な修理ができない点や屋根が重くなるため、建物荷重が増え構造体への負担が重くなるというデメリットもあります。
屋根カバー工法を検討する際、施工実績や専門知識を有する施工業者へ依頼することを前提として計画することをおすすめします。
屋根カバー工法のメリット
屋根カバー工法の最大のメリットは既存屋根の解体をする必要がないことです。
また、一般的な屋根葺き替え工事より費用が安くなるのも特長です。
【屋根カバー工法のメリット】
■ 既存屋根材の解体が不要
■ 葺き替え工事より費用が安くなる
■ 葺き替え工事より工期が短い
■ 断熱性能が高くなる
■ 既存屋根下地（野地板など）の結露防止になる
屋根カバー工法は既存屋根の上に新規屋根材をかぶせる工法となるため、既存屋根材の状況をしっかりと見極めた上で施工することが望ましいと言えます。
既存屋根の状態が比較的良好であれば費用や性能の点を考慮し、メリットの多い屋根カバー工法を検討してみましょう。
屋根カバー工法のデメリット
メリットの多い屋根カバー工法ですが、デメリットもありますので合わせて検討すると良いでしょう。
【屋根カバー工法のデメリット】
■ 屋根が重くなる
■ 耐震性能が低くなる可能性あり
■ 瓦屋根は不可
■ 屋根の劣化状況により施工できないケースあり
■ 火災保険が適用されない場合がある
屋根カバー工法は建物の屋根が2重になるため、当然ながら新規屋根材の荷重が加算され建物の構造体に多少なりとも影響を与えます。
また、既存屋根の劣化が激しい状態で屋根カバー工法を施工してしまうと、万一、雨漏りが発生した場合対処が難しくなるケースもあります。
また、屋根カバー工法による施工は火災保険が適用されない可能性が高いと言えるでしょう。
理由は火災保険の適用条件のひとつに同じ屋根素材を使用して現状復帰するという項目があるためですね。
火災保険の適用を優先するのであれば屋根カバー工法でのリフォームは見送ることも考えておきましょう。
屋根カバー工法の失敗例
屋根カバー工法は屋根が新品になるため建物の外観を美しく見せることが可能であり、既存屋根状況に問題が無い場合、おすすめの工事です。
しかし、屋根カバー工法による失敗例もありますので、屋根カバー工法を計画する際、自宅に問題がないか事前に確認しておきましょう。
【屋根カバー工法の失敗例】
■ 既存屋根下地劣化を確認せずカバー工法施工後屋根材が飛ばされた
■ 緩勾配屋根（2.5寸以下）の施工で雨漏りを起こした
■ カバー工法用下地に低品質の防水シートを使用して雨漏り
屋根カバー工法で失敗する例が多いのは、既存屋根の状況の見極め不足による雨漏りや屋根材のはがれなどが発生するケースです。
屋根カバー工法は専門知識や技術を要するため、一般的な屋根施工業者では施工できない場合があります。
しかし、現状は既存状態の確認不足や屋根カバー工法の知識を持たない業者が施工することも考えられます。
屋根カバー工法の施工基準に屋根勾配の指定があり、現況が2.5寸以下の勾配屋根は雨漏りを誘発する原因になることから施工禁止とされています。
しかし、メーカー施工基準を無視し屋根カバー工法を施工してしまう業者も、残念ながら存在しているのも事実です。
屋根カバー工法での失敗例の多くは、屋根施工業者の調査不足や知識不足から発生することが考えられますので、屋根カバー工法をする際は専門知識を有し、施工実績のある施工店に依頼しましょう。
屋根カバー工法で建物を長持ちさせよう
屋根リフォームには葺き替えや塗装があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
費用面や既存屋根の状態により、最適な屋根リフォームをすることが望ましいでしょう。
屋根リフォームの選択肢のひとつである屋根カバー工法には、建物を長持ちさせ屋根を美しく変えてくれるメリットがあります。
屋根の葺き替えだと費用も工期もかかる、塗装だと少し心配だと思われているのであれば、屋根カバー工法は最適のリフォームと言えるでしょう。
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