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2026.02.05

ヘーベルパワーボードの塗装剥がれは、見た目の問題ではなく防水機能が落ちたサインです。「10〜15年ごとの塗り替えと専門業者による調査が必要」となるケースが一般的ですが、それだけでは自分の家が今どのレベルで危険なのかも、いくらかけてどこまで直すべきかも判断できません。
このページでは、塗装がパリパリ剥がれる、目地だけが割れる、膨れや爆裂が出ているといった症状を、写真がなくても分かる言葉で分解し、「ここからが危険」「この状態ならまだ部分補修で済む」という線を具体的に示します。ALCの直貼り工法か通気工法かによって変わる塗料選びや防水工事、コーキングやシーリングの補修方法、30坪前後の一戸建てで現実的な費用相場まで、一連のメンテナンスロジックを通して解説します。
さらに、1〜3年で再剥がれした実例から見えた「下地調整一式」「シーリング工事一式」という曖昧な見積りのリスク、横浜や神奈川特有の塩害や凍結がパワーボードや屋根に与える影響、火災保険や雨漏り補修を組み合わせてコストを抑える現実的なやり方まで踏み込みます。施工不良か経年かを見極めたい方、やり直し工事を避けつつ適正な費用で外壁リフォームしたい方にとって、この数分のインプットを省くこと自体が損失になります。
「まだ様子見でいいのか、今すぐ業者を呼ぶべきか」を自分で線引きできると、一気に不安が小さくなります。ここでは現場での診断基準を、そのままご自宅チェック用に落とし込んでいきます。
外壁をぐるっと一周しながら、次の3つを順番に確認してみてください。
指でなでて白い粉がつく…軽度のチョーキング
爪で軽くこするとパリッとめくれる…塗膜の密着不良の疑い
触らなくても境目が浮いて見える…内部に水が回っている可能性
南面・西面だけ:紫外線による経年劣化の色が濃い
ベランダまわり・バルコニー下:雨漏り予備軍になりやすいゾーン
1階の低い位置だけ:跳ね返りの雨水で常に濡れやすい部分
直径2〜3cmの点在:早めの補修で食い止められるレベル
30cm以上の帯状:その裏でボード全体が傷んでいるサイン
1面の3割以上:塗装ではなく「外壁の寿命」を疑う段階
私の視点で言いますと、「点在している小さな剥がれ」が見つかった段階が、費用対効果の一番良いメンテナンスのタイミングです。
ヘーベルパワーボードは、板と板の継ぎ目(目地)にコーキングやシーリングが入っており、ここが先に悲鳴を上げます。目地だけ剥がれている状態は、次の表を目安にしてください。
| 目地の状態 | 危険度 | 現場での判断イメージ |
|---|---|---|
| 表面の色あせのみ | 低 | 次回塗装時にまとめて対応 |
| ひび割れだが奥は見えない | 中 | 近い将来の打ち替え候補 |
| パリパリ剥がれて隙間が黒い | 高 | 雨水が内部へ到達している可能性大 |
| コーキングごと欠落し下地が見える | 非常に高い | 早急に補修・点検が必要 |
面(平らな部分)がまだきれいでも、目地から雨水が入り続けると、内部のALCがスポンジのように水を吸い、防水性能が一気に落ちます。
「見た目はまだ大丈夫そうだから」と先延ばしにすると、数年後に面の塗装も一気にパリパリ剥がれ始めるケースが多いゾーンです。
同じ剥がれでも、原因によって対処と費用感が変わります。代表的な症状をまとめると、次のようなイメージです。
| 症状 | 見た目の特徴 | 主な原因の目安 | 緊急度 |
|---|---|---|---|
| チョーキング | 触ると白い粉 | 紫外線による塗膜劣化 | 中 |
| 膨れ | 風船のようなふくらみ | 直貼りで透湿性の低い弾性塗料、内部の水分 | 高 |
| 爆裂 | 表面が割れて中の骨材が見える | 吸水と凍結・内部鉄筋のサビ | 非常に高い |
| 欠け | 角や出隅が欠ける | 衝撃+劣化+吸水 | 中〜高 |
特に注意してほしいのが膨れと爆裂です。
膨れは、直貼り工法なのに防水性と弾性だけを重視した塗料を使った時に起きやすく、数年であちこちに連鎖することがあります。
爆裂は、雨水が内部鉄筋まで到達したサインで、ここまで進むと「塗装工事」ではなく「補修工事+塗装」のセットが必要になり、費用負担も大きくなります。
一方で、チョーキングや軽いヘアクラックだけの段階なら、外壁全体の状態を見ながらメンテナンス計画を立てる余裕があります。
今見えている症状がどのゾーンにいるのかを押さえておくと、次の「どこまで直すか」の判断がぐっと楽になります。
外壁がパリパリ割れてくると、多くの方が「うちは外れ工事だったのか」と不安になります。実際の現場を見ていると、材料のクセ×工法の選択ミス×下地処理不足が重なった時に、数年で一気に症状が出るケースが目立ちます。
ここでは、原因を「構造」「施工ミス」「工法選択」の3段階で分解します。
ALCボード自体は「軽いコンクリート」です。スポンジのように細かい気泡があり、そのままだと水を吸う素材です。雨水を止めているのは次の2つだけです。
外壁表面の塗装
ボードの継ぎ目やサッシ周りのコーキング(シーリング)
この2つが弱ると、毛細管現象で水がジワジワ内部まで入り込みます。特にヘーベルパワーボードは目地の数が多く、目地の防水力=家全体の防水力というくらいシビアです。
よくある状態の違いを整理すると、次のようになります。
| 状態 | 見た目の症状 | リスクの目安 |
|---|---|---|
| 塗装健全 | 艶があり色ムラ少ない | 防水力はまだ確保 |
| チョーキング | 触ると白い粉 | 塗装の防水が弱り始め |
| 目地ひび | コーキングに細い割れ | 雨水が入り始める段階 |
| 剥がれ・膨れ | 塗膜が浮く・落ちる | 内部まで水が到達している可能性大 |
塗装剥がれや膨れが出た段階は、「見た目の問題」ではなく防水ラインを超えてしまったサインと考えてください。
築20年前後なら経年劣化もありますが、1~3年での急激な剥がれや膨れは、ほぼ施工側のミスが絡みます。業界人の目線で多いパターンは次の通りです。
古い塗膜やチョーキングを十分に除去せず、そのまま上塗りした
→密着不良で「塗装だけがペリペリめくれる」
ALCの補修にモルタルやパテを流用した
→素材の動きについていけず、補修部から割れ・剥がれ
下塗り(シーラー)の選定ミスや塗布不足
→ボードが塗料の樹脂分だけ吸い込み、スカスカの塗膜になる
乾燥時間を守らず、雨上がり直後に塗った
→内部に残った水分が温度変化で膨張し、後から膨れとして表面化
私の視点で言いますと、「高圧洗浄だけしてすぐ塗る現場」ほど、数年後のクレーム率が高い印象があります。ALCは表面が傷んだ層ごと脆くなりやすく、ケレンや下地調整をどこまでやるかが勝負どころです。
同じALCでも、「直貼り」と「通気」で選んではいけない塗料が変わります。ここを見誤ると、見た目はきれいなのに数年で膨れだらけという悲惨な結果になります。
| 工法 | 仕組み | 避けたい塗料・工法 | 起こりがちなトラブル |
|---|---|---|---|
| 直貼り | ボードの裏がほぼ密着 | 防水性が高すぎる弾性塗料や膜厚が厚すぎる仕様 | 逃げ場のない水蒸気が塗膜を押し上げて膨れ |
| 通気 | 胴縁+通気層で裏に空気の流れ | 通気層を塞ぐコーキングの打ち方 | 内部結露や一部の面だけの色ムラ・早期劣化 |
直貼りの場合、室内側から出る水蒸気や、ボードに一度入ってしまった水分の「出口」がありません。そこに弾性塗料でガチガチにフタをしてしまうと、蒸気の圧力が塗膜を押し上げて膨れを起こしやすくなります。
チェックしたいポイントは次の3つです。
自宅が直貼りか通気か、業者が現地で確認して説明してくれるか
提案されている塗料の「透湿性」について説明があるか
仕様書に下塗り(シーラーやフィラー)の種類と回数が明記されているか
この3つの説明がない見積りは、「とりあえず塗れば大丈夫」というサイディング前提の感覚で組まれている可能性があります。ALC特有のクセを踏まえた上で、防水と透湿のバランスをどう取るかが、パリパリ剥がれを防ぐ最大のカギになります。
「まだ見た目だけだから大丈夫かな」と迷った瞬間から、外壁の中では静かにカウントダウンが始まっています。表面の塗装は、家全体を守る“レインコート”です。ここが破れている状態を放置すると、パワーボード内部に少しずつ水が溜まり、ある日一気に「爆発」するように傷みが表面化します。
私の視点で言いますと、築20年前後で塗装剥がれやひび割れを放置していた住宅ほど、足場をかけてからの追加補修が増え、工事費も膨らむ傾向がはっきり出ています。
外壁の塗膜が切れている状態を放置すると、次の順番で傷みが進みます。
ポイントは、室内に雨漏りが出た時には、すでに外側のダメージは一巡していることです。見た目の「少しの剥がれ」で止められるか、「ボード交換まで必要」になるかの分かれ目は、放置期間の長さと、目地・コーキングの状態でほぼ決まります。
| 状態の見え方 | 外で起きていること | 中で進んでいるリスク |
|---|---|---|
| 軽い塗装剥がれ | 塗膜の防水切れ | ボード内部に水が入り始める |
| ひび割れ+コーキング割れ | 雨水が常時浸入 | 鉄筋周りのさびが進行 |
| 欠け・爆裂・浮き | ボードが壊れ始める | 交換レベルの構造劣化 |
パワーボードは、多数の気泡を含んだ軽量気泡コンクリートです。この気泡に水が入り、冬場の冷え込みで凍ると「氷が膨張して内側から押し広げる」力が働きます。これが繰り返されると、次のような症状になります。
表面が丸く膨らみ、指で押すと空洞感がある
角や窓周りが欠けて、白い内部が露出している
叩くと「コンコン」ではなく「ボコボコ」と鈍い音がする
ここに内部鉄筋のさびが重なると、鉄筋が膨張してボードを押し割り、表面のモルタルが爆ぜるように割れる爆裂が起きます。塗装だけではどうにもならず、ボード交換や部分張り替えが必要になるラインです。
同じ築年数でも、横浜や神奈川の住宅は環境負荷が一段厳しくなります。
海沿い・湾岸部
坂の多い住宅街・山沿い
マンションが混在する密集地
同じ「築15〜20年」でも、海に近い面や北面だけ塗装剥がれや膨れが集中しているケースが多く、面ごと・方角ごとの診断が必要になります。環境負荷が高いエリアほど、塗り替えサイクルを短めに見ておくことで、爆裂やボード交換レベルへの進行を手前で止めることができます。
「高圧洗浄してペンキを塗るだけでしょ?」と考えていると、数年後にパリパリ再剥がれコースに直行します。現場では、外からは見えない“傷んだ層”をどこまで削り、何で埋め、どんな順番で塗り重ねるかが勝負どころです。私の視点で言いますと、ここを雑にされた家ほど、1~3年でやり直し相談が来ています。
パワーボードの塗装が大きく浮いている家は、「汚れ」ではなく「死んだ塗膜」をどこまで削るかが肝心です。
代表的な作業フローを整理すると次のようになります。
| 工程 | 現場でのチェックポイント |
|---|---|
| 高圧洗浄 | チョーキングが強い面は水を当てると白い水が流れるか |
| ケレン | 爪で押してフカフカする塗膜は“全部落とす”のが基本 |
| 目地周りのカット | 剥がれの端をV字に切り込み、浮きの根元まで追い込めているか |
| 下塗り前の含水チェック | 直貼りの場合は特に、湿ったまま塗らない判断ができているか |
高圧洗浄とケレンを“形だけ”で終わらせる業者は、傷んだ層を残したまま上塗りしてしまうため、数年後に同じ場所から再剥がれしやすくなります。
見積書を見ただけで「本気度」が分かるポイントがあります。最低限、次の言葉が具体的に書かれているか確認してみてください。
ALC専用補修材使用(ピンホール、欠け補修の項目)
シーラー(浸透型下塗り)とフィラー(厚付け下塗り)を使い分けているか
目地シーリング打ち替えまたは増し打ちを明記しているか
直貼りか通気かを踏まえた透湿性塗料の記載があるか
特に直貼り工法で“防水性だけ高い弾性塗料”を選ぶと、逃げ場を失った水蒸気が塗膜を押し上げ、膨れだらけになるケースが実際にあります。透湿性と弾性のバランスを説明できる業者かどうかが、安全ラインの目安です。
目地やサッシ周りのシーリングは、防水の最後の砦です。ここをケチると、内部鉄筋の錆や凍害に一直線です。
打ち替えが必要な状態
増し打ちで許される状態
打ち替えが必要なのに“増し打ち”と書かれている見積りは要注意です。古いコーキングを撤去すれば手間も廃材も増えるため、ここをぼかして利益を確保しようとする業者もいます。
「目立つところだけ直せませんか?」という相談は多いのですが、部分補修で済むかどうかには、はっきりした線引きがあります。
| 判定の軸 | 部分補修で済むケース | 全面塗装が必要なケース |
|---|---|---|
| 劣化の範囲 | 1面の一部、バルコニー下など限定 | 3面以上で同じ症状が散在 |
| チョーキング | 周囲はほぼ無し | 外壁全体で手が真っ白になる |
| 目地の状態 | 割れが局所的 | ぐるりと一周、複数箇所で亀裂 |
| ALC本体 | 欠けや爆裂が見当たらない | 角部や窓周りで本体欠損あり |
部分補修で無理やり押し切ると、「直した面だけきれい、他の面が数年で一気に劣化」というアンバランスな家になります。足場を組む以上、屋根や雨樋、ベランダ防水も含めてトータルのメンテナンス計画を立てた方が、ローンや保険まで含めたトータル費用はむしろ抑えやすくなります。
「まだきれいに見えるから平気」と手を抜いた家と、「そろそろ怪しいな」で一歩早く動いた家。10年後の傷み方は、びっくりするほど差が出ます。外壁は見た目ではなく“サイクル設計”で守る時代です。
同じ外壁でも、新築からの初回と2回目以降で考え方が変わります。
| タイミング | おおよその目安年数 | ポイント |
|---|---|---|
| 新築〜初回塗装 | 10〜15年前後 | 塗膜とシーリングが同時に弱るゾーン |
| 2回目以降 | 8〜12年前後 | 既存塗膜と下地の状態が寿命を左右 |
| 放置しすぎ | 15年以上経過 | 塗装ではなく補修工事がメインになることも |
私の視点で言いますと、新築から12〜13年目で動いたお宅と、18年放置したお宅では、同じ一戸建てでも工事費とリスクがまるで別物になります。特にALCは防水を塗装とコーキングに頼っているため、サイクルを超えた放置は雨漏りのカウントダウンだと考えてください。
「何年たったか」より、「今どうなっているか」で判断する方が確実です。手元でできるチェックは次の3つです。
手で触ると白い粉がつく → チョーキング
細いひびが蜘蛛の巣状に入っている → ヘアクラック
目地やサッシ周りのゴム状の部分が割れている → コーキング割れ
ざっくり目安にすると、
| 症状 | 危険度 | 行動の目安 |
|---|---|---|
| チョーキングのみ | 小 | 1〜2年以内に塗装計画 |
| ヘアクラック+チョーキング | 中 | 早めに点検・見積もり |
| コーキング割れ・剥離 | 大 | 雨水侵入のリスク大、放置NG |
特に目地のシーリングが痩せて隙間が見え始めたら、塗り替えサインを通り越して「補修優先」の状態です。ここを塗装だけでごまかすと、数年後のパリパリ剥がれにつながります。
2回目、3回目の工事でよくある勘違いが「回数を重ねるほど強くなる」という発想です。実際の現場感覚は真逆です。
| 塗装回数 | 注意ポイント | 失敗しやすい例 |
|---|---|---|
| 1回目 | 元の下地は健全 | 塗料グレードだけで選んでしまう |
| 2回目 | 既存塗膜との相性 | 弾性塗料で密閉し膨れ・剥がれ |
| 3回目以降 | 下地調整が命 | 古い塗膜を残しすぎて密着不良 |
塗膜が何層にも重なると、雨水や水蒸気の“逃げ道”が無くなり、直貼り工法の外壁では特に膨れや剥がれが起こりやすくなります。ここで効いてくるのが、透湿性の高い塗料選びと、傷んだ層をどこまで削るかという下地処理の判断です。
業者選びの場面では、塗料名だけでなく、
既存塗膜の状態をどう評価しているか
下地調整をどこまでやる前提なのか
何回目の塗装かを踏まえた工法なのか
この3点を質問してみてください。年数ではなく「今の状態」と「塗装回数」に合わせた提案ができる業者ほど、やり直し工事になりにくい傾向があります。
塗装がパリパリ剥がれてくると、まず気になるのが「これ、いくらかかるの?」という財布の痛みだと思います。ここでは、現場で実際に動いている数字だけをギュッと絞ってお伝えします。
30坪前後の一戸建てで、外壁がパワーボード系の住宅を想定した費用感です。ポイントは「どこまで直すか」と「足場を組むかどうか」で金額が一気に変わることです。
| 工事パターン | 目安費用(税込イメージ) | 主な内容 | 向いている状態 |
|---|---|---|---|
| 部分補修のみ | 5万~25万円 | 剥がれ周辺のケレン、ALC専用補修材充填、部分塗装 | 一面の一部だけ剥がれ、全体はまだ艶がある |
| 外壁のみ全面塗装 | 70万~130万円 | 足場、洗浄、下地調整、コーキング工事、3回塗り | 築15~20年前後で広範囲にチョーキング・色褪せ |
| 外壁+屋根セット | 100万~180万円 | 上記+屋根塗装、雨樋や破風板の塗装 | 足場を1回で済ませてトータルメンテしたい |
部分補修で済むかどうかの判断材料として、次の3つをチェックしてみてください。
剥がれが「1面の1~2カ所」でおさまっているか
手でこすっても周りの塗装が粉状(チョーキング)にならないか
コーキング(目地)が大きく割れていないか
この3つのうち2つ以上がNGなら、部分補修だけで逃げ切ろうとすると、数年後に別の面が連鎖的に剥がれて「結局全面塗装+足場をもう一度」という二重払いになりやすいです。
塗料グレードは、「今後何年、この家に住むか」「次の大きな出費のタイミング(子どもの進学、ローン繰上げ)とどう合わせるか」で決めると失敗しにくいです。
| 塗料グレード | ざっくり単価感 | 想定耐用年数 | 向いているケース | コスパの感覚 |
|---|---|---|---|---|
| シリコン | 安め | 8~10年程度 | まずは費用を抑えたい | 10年ごとに計画的に塗る前提なら有り |
| ラジカル | 中間 | 10~13年程度 | 今の主流。迷ったらここ | 単価と寿命のバランスが良い |
| フッ素 | 高め | 13~15年程度 | 塩害エリアや高層・風当たりが強い家 | 海沿い・幹線道路沿いで効果を実感しやすい |
| 無機系 | 最高クラス | 15~18年程度 | 次の塗り替えをできるだけ先送りしたい | 初期費用は重いが、長期で見ると一番安くなる場合も |
パワーボード系の外壁は、単に耐用年数だけでなく「透湿性(家の中の水蒸気を外に逃がせるか)」が重要です。特に直貼り工法の外壁に、弾性の強すぎる塗料や透湿性の低い高級塗料を選ぶと、数年後に膨れが出る事例が少なくありません。
業者に聞いてほしいのは次の3つです。
うちの外壁は直貼りか通気か
提案している塗料の透湿性はどうか
以前、同じ仕様の家に塗ったときの経過を知っているか
ここを曖昧にしたまま「グレードが高いから安心」と選んでしまうと、高いお金を払ってトラブルを買う形になります。
塗装費用を抑えるうえで、火災保険や雨漏り補修との組み合わせは無視できません。私の視点で言いますと、うまく組み立てたお宅ほど「同じ工事内容でも実質負担をかなり抑えている」という印象があります。
台風やひょう、強風で外壁や屋根が破損した場合
→ 原状回復分については火災保険が使えることが多い
雨漏りの原因が、外壁目地やベランダ防水の劣化だった場合
→ 雨漏り補修部分を保険対象にして、そのタイミングで周囲を一緒に塗装するケースもある
押さえておきたいポイントは次の通りです。
保険会社に申請する写真は、補修前に「近景+全体」を撮っておく
見積書は「保険対象部分」と「通常の塗装部分」を分けて作ってもらう
申請の可否はあくまで保険会社判断なので、「絶対通ります」という営業トークには注意
また、足場を組むなら、外壁だけでなく屋根や雨樋、ベランダ防水も同時に点検してもらうと、長期的な出費は抑えやすくなります。足場代は一戸建て30坪クラスで15万~25万円前後になることが多く、この1回分を節約できるだけでも、トータルのコストはかなり変わってきます。
塗装剥がれは見た目だけの問題に見えますが、工事内容の組み立て方次第で、10年先、20年先の修繕費に直結します。費用の数字だけでなく、「どこまで直すか」「どのグレードを何年使いたいか」「保険や雨漏り補修をどう絡めるか」をセットで考えると、納得感のある選択につながりやすくなります。
新築や前回の外壁塗装から数年で、目地まわりだけパリパリと剥がれてくると、誰でも「施工不良?」と不安になります。ここでは、現場でよく見る“早すぎる剥がれ”の共通点と、見積り段階で見抜くポイントを整理します。
私の視点で言いますと、この章を押さえておくだけで「やり直し工事」と「二重出費」をかなり防ぎやすくなります。
1〜3年で目地の塗装が割れたり剥がれたりする家には、見積もり段階で同じような落とし穴があります。
代表的なパターンをまとめると次の通りです。
コーキングの「打ち替え」ではなく「増し打ち」しかしていない
ALC用ではないシーリング材を使用し、硬化が早くひび割れ
目地の上に弾性塗料を厚塗りして、動きに追従できず割れる
下塗りのシーラーが不足、もしくは不適合で密着不良
| よくあるミス | 何が起きるか | 目に見える症状の出方 |
|---|---|---|
| 既存コーキングの上に増し打ちだけ | 中の古いシーリングが動いて表面を押す | 目地だけ凸凹して先に割れる |
| ALC非対応の硬いシーリング | 温度変化で動きに追随できない | 細かいひび→塗装ごと剥離 |
| 弾性の強い上塗りを直貼りALCに使用 | 逃げ場がなく内圧で膨れ | 気泡状の膨らみ→破れて剥がれ |
| 安価な下塗りで吸い込み止まらず | 接着力不足で“皮が浮く” | 手でめくれるレベルの剥がれ |
ポイントは、「材料が悪い」というより、ALCの動き方や吸い込みを計算せずに工事メニューを組んでいることです。見積書の時点で、このあたりが読み取れない内容なら要注意です。
早期トラブル現場の見積書を振り返ると、決まって出てくるのが「一式」のオンパレードです。特に危ないのは次の2行です。
下地調整一式
シーリング工事一式
どこまでやるのか、量も内容も分からないので、あとから「聞いていた話と違う」となりやすい表現です。
| 項目名の書き方 | 安心度 | 施主が確認したいポイント |
|---|---|---|
| 下地調整一式 | 低い | どこまで削るか・どんな補修材かを口頭確認必須 |
| 既存塗膜不良部ケレン・ALC用補修材充填 ○㎡ | 高い | 範囲と材料が具体的で判断しやすい |
| シーリング工事一式 | 低い | 目地・サッシまわりの本数、打ち替えか増し打ちか |
| 外壁目地打ち替え ○m、サッシ廻り増し打ち ○m | 高い | メーター数が明記されていれば手抜きしづらい |
曖昧な「一式」表記が悪いわけではありませんが、ALCの場合は目地と下地処理の丁寧さが寿命を決める核心部分です。ここがぼやっとしたまま契約すると、短期での剥がれリスクが一気に上がります。
契約前に、見積書をテーブル代わりにしながら、具体的な作業内容を書き込んでもらうのがおすすめです。
「知識武装しておきたいけれど、何を聞けばいいか分からない」という方のために、現場で話してほしい質問を整理します。これだけ聞けば、ALCを分かっている業者かどうか、かなり見極めやすくなります。
【必ず確認したい外壁の仕様・工法】
この外壁は直貼りALCか、通気工法か
その判断はどこを見て行いますか
今の塗装は何回目か、既存塗膜の状態をどう見ていますか
【コーキングとシーリングについての質問】
目地は打ち替えと増し打ちのどちらを、なぜ選びますか
使用予定のシーリング材のメーカー名とグレードは何ですか
サッシ周りとボード目地で、工法を変える予定はありますか
【塗料・塗装回数についての質問】
下塗りに使うシーラー(またはフィラー)の種類と理由は
既存塗膜の膨れや剥がれがある場所は、どこまで削りますか
上塗り塗料の透湿性と弾性は、この外壁仕様と相性が良いですか
【費用と工事管理についての質問】
早期に剥がれた場合、どこまで保証してくれますか
工事中の写真はどの程度残して、どのタイミングで共有してくれますか
不在が多いが、LINEやメールでの進捗報告は可能ですか
この質問に対して、専門用語をかみ砕いて説明しながら、「ここは横浜や神奈川の海風を受けやすいので塩害も考えて塗料を選びます」といった地域性まで踏み込んだ答えが返ってくる業者は、現場経験が豊富な可能性が高いです。
逆に、「大丈夫です、しっかりやります」「お任せください」で終わってしまう場合は、もう一社の話も聞いて比較する価値があります。早く剥がれてから後悔するより、見積もり段階で10分多く質問する方が、住宅ローン以上に長く続く“外壁の安心”につながります。
塗装がパリパリ剥がれてきたとき、「どの業者に任せるか」で、この先10年の安心度がまるごと変わります。資格やチラシの割引よりも、現場で何を確認し、どう説明してくれるかが勝負どころです。
ここでは、現場を見てきた業界人の目線で、「この会社なら任せてもいい」と判断できるチェックポイントを整理します。
パワーボードの外壁でまず見るべきは、直貼り工法か通気工法かです。これは、選ぶ塗料や補修方法を左右する「診断のスタートライン」です。
訪問時に、外壁の端部や水切り、ベランダまわりを見ながら、次のような確認をしてくれる業者は信頼度が高いです。
外壁の内側に通気層があるか
直貼りの場合、既存塗膜の膨れや浮きがないか
コーキングの切れ目から雨水が入りやすい納まりか
目視だけでなく、「直貼りで弾性塗料を厚塗りすると、数年後に膨れやすいので透湿性を優先したいですね」といった具体的な話が出てくるかどうかも重要です。ここが曖昧なまま「どの外壁も同じ塗料で大丈夫です」と言う業者は、パワーボードに強いとは言えません。
次の表を目安に、診断レベルをチェックしてみてください。
| 業者の診断レベル | 現地での行動例 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 高い | 直貼りか通気かを説明しながら確認する | ◎ |
| 普通 | ひび割れ・汚れだけをチェックする | △ |
| 低い | ほぼ外観だけを見て即見積もり | × |
パワーボードの補修では、下塗りと補修材の選び方が、再剥がれを防ぐ最大のポイントです。ここをきちんと説明できる業者かどうかは、必ず確認しておきたいところです。
打ち合わせのとき、次の言葉が出てきたら要チェックです。
シーラー(下地と新しい塗装をくっつける「両面テープ」役)
フィラー(細かなヒビや凹みを埋めて、表面を平らにする下塗り)
ALC専用補修材(ボードの欠けやクラックを埋める材料)
コーキング/シーリング(目地やサッシまわりの柔らかい防水材)
ここで大事なのは、専門用語そのものではなく、素人の言葉に置き換えて説明してくれるかどうかです。
悪い説明例
「シーラー塗ってフィラー入れておきます」
良い説明例
「今の塗装が浮いているので、一度弱った部分を落としてから、接着剤の役目をする下塗りを入れます。そのあと、細かいヒビを埋める下地材で肌を整えてから上塗りします」
私の視点で言いますと、1〜3年で再剥がれを起こした現場の多くは、「シーラーの選定ミス」か「ALC専用でない補修材」を使っていたケースが目立ちます。見積書にシーラーの種類名や補修材の種別が書かれているかも、ぜひ確認してください。
共働き世帯が多い横浜・神奈川エリアでは、「日中ほとんど家にいない」という方が多く、工事中のコミュニケーションが不安になりがちです。そこで差がつくのが、現場の見える化と気遣いです。
最近の現場で増えているのが、次のような運用です。
朝と夕方に、その日の作業内容をLINEでテキスト報告
既存塗膜の剥がれ方やALCの欠け部を写真で共有
コーキング撤去前後、下塗り完了時など、見えなくなる工程を逐一撮影
風が強い日や雨予報の日は、事前に作業内容の変更を連絡
このレベルの報告があると、「本当に高圧洗浄は丁寧にやってくれたのか」「目地は増し打ちか打ち替えか」といった不安がぐっと減ります。特にパワーボードは、目地と下地処理の手間をどこまでかけるかで仕上がりと耐久性が変わる外壁材です。
見積もりの段階で、次のように聞いてみてください。
工事中の報告は、写真付きでしてもらえますか
不在が多いが、進捗はどのタイミングで共有してもらえるか
気になる箇所があったとき、LINEで写真を送って相談できるか
これに対して具体的な運用方法を即答できる業者は、現場管理のレベルも高い傾向にあります。資格や価格だけに目を奪われず、診断の深さと説明力、そしてコミュニケーションの質で、パートナーを見極めていくのがおすすめです。
塗装がパリパリ…見るたびに気分もパリパリ、そんなモヤモヤを一気に片付けるカギが「地域を知っている業者選び」です。私の視点で言いますと、横浜・川崎・湘南エリアは、同じALC外壁でも診断の切り口を変えないと、判断を誤りやすい地域です。
まずは立地ごとのチェックポイントです。
| 立地・建物 | よくある劣化 | 診断で必ず見るポイント |
|---|---|---|
| 海沿い一戸建て | チョーキング強め、鉄部サビ | 風向き別の塩だまり、ベランダ笠木まわりの雨染み |
| 坂道が多い住宅街 | 風当たり面だけ塗装剥がれ | 斜面側の雨だれ跡、目地コーキングの割れ幅 |
| マンション・賃貸 | 日陰側の膨れ・カビ | 北面ALCの含水、直貼りか通気かの工法確認 |
海沿いでは塩害で防水層が早く弱り、坂の多いエリアでは風雨が一方向から叩きつけるため、同じ築年数でも劣化スピードが変わります。立地を無視して「築何年だからそろそろ」という診断だけだと、補修の優先順位を間違えがちです。
足場費用は、横浜の30坪クラスでも外壁塗装費用の中で大きなウエイトを占めます。だからこそ、足場を組むタイミングで「やり残しゼロ」を意識した方が、財布に優しくなります。
外壁ALCの塗装とコーキングの打ち替え
屋根の塗装やカバー工法、棟板金の釘抜け補修
ベランダ防水(FRPトップコートやウレタン防水)
雨樋の勾配調整や割れ補修、金具のサビ補修
このあたりを「一度の足場で全部やる」のか「今回はどこまでに絞るのか」を、見積もり段階で整理してもらうことが大切です。特にALC住宅では、外壁だけきれいにしても、ベランダ防水や屋根からの雨水が入り込むと、内部から爆裂や雨漏りを招くケースがあります。
地域密着のリフォーム会社を見極めるなら、無料診断のときに次の質問をぶつけてみてください。
直貼りか通気工法か、どうやって判断しますか
目地コーキングは増し打ちと打ち替え、どちらを提案する理由がありますか
今回の下地調整で、ALC専用補修材とシーラー・フィラーは何を使いますか
横浜(または神奈川)のこのエリアで、同じような状態の施工事例はありますか
工事中、不在が多い場合は写真やLINEでどこまで経過報告してもらえますか
この質問に、図を描いたり過去の写真を見せながら具体的に答えてくれる業者なら、ALCの特性と地域の気候をふまえて判断している可能性が高いです。逆に「おまかせください」「一式でやっておきます」としか返ってこない場合は、塗装剥がれを繰り返すリスクを疑った方が安全です。横浜・神奈川の家を長く守るには、地域と素材の両方を語れるパートナーを選ぶことが、いちばんの近道になります。
著者 – 株式会社匠美
ヘーベルパワーボードのご相談では、「見た目は悪いけれど本当に今すぐ工事が必要なのか」「どこまで直せば安心なのか」が分からず、不安のまま時間だけが過ぎてしまっているお客様が少なくありません。中には、塗装剥がれを数年放置した結果、雨水が入り続けて内部が爆裂し、想定より大きな補修が必要になったお住まいもありました。
一方で、新築から数年で目地だけがパリパリ割れたケースでは、調べてみると下地処理やコーキング量が足りず、見積書にも「下地調整一式」としか書かれていなかった例もあります。現場でその説明をすると、多くの方が「最初の塗り替えの時に知っておきたかった」とおっしゃいます。
こうした声から、「どの症状なら部分補修で済み、どこからが外壁全体のメンテナンスになるのか」「見積りのどこをチェックすれば施工不良を避けられるのか」を、横浜・神奈川の気候やヘーベルパワーボード特有の性質に合わせて整理しようと考え、この記事を書きました。現地調査の前に、ご自宅の状態を冷静に見極める物差しとして役立てていただければ幸いです。
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