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2026.06.10

新築の基礎や擁壁に発生したハチの巣のようなジャンカを発見し、建物の寿命や強度への不安から夜も眠れない日々を過ごしていませんか。ハウスメーカーや下請け業者から化粧モルタルで隠せば大丈夫と説明されても、その言葉を鵜呑みにしてはいけません。適切な下地処理を行わずに見た目だけを綺麗に整えても、内部で鉄筋の酸化が進み、数年後にはコンクリートが内側から崩壊する鉄筋爆裂を引き起こす危険性があります。
本質的なジャンカ補修を成功させる唯一の結論は、ダイヤモンドカッターによる垂直なハツリを行い、ポリマーセメントモルタルによる精密な断面修復仕様を徹底することです。
一般的な砂モルタルや簡易的な補修材では、コンクリート本体に水分を奪われるドライアウト現象や温度変化による剥離を防ぐことはできません。本書では、日本コンクリート工学協会の判定基準に基づく危険度レベルの解説から、カチオン樹脂による超高接着力のメカニズム、フィックスTS等のプロ仕様補修材の性能比較までを網羅しています。さらに、現場にハツリの粉塵があるかといった手抜き工事の具体的な見破り方や、公共建築改修工事標準仕様書を遵守した信頼性の高い施工プロセスも徹底解説します。大切な資産を守り抜き、30年持たせる基礎補修の真実を今すぐ手に入れてください。
新築の型枠が外れた瞬間、基礎の表面に現れたゴツゴツとしたハチの巣のような空隙を目にして、心臓がバクバクした経験はありませんか。このボコボコとした現象は、専門用語で豆板やジャンカと呼ばれます。
なぜこのようなトラブルが起きてしまうのでしょうか。コンクリートを型枠に流し込む際、ドロドロの液体であるセメントペーストと、重たい砂利が均一に混ざり合った状態で隅々まで行き渡る必要があります。しかし、現場でのバイブレーターによる締め固め作業が不足していたり、流し込む高さが不適切だったりすると、砂利だけが1箇所に偏る材料分離が発生してしまうのです。
型枠の隅々までセメントペーストが回り込まなかった結果、コンクリートの内部には目に見えないスカスカな大空洞が形成されます。表面に見えているハチの巣は氷山の一角に過ぎず、実は見えない奥深くで、構造体を支えるべき骨組みが空洞化している危険性が極めて高いのです。
表面に空いた小さな穴ボコを、単なる見た目の問題として見過ごすわけにはいきません。コンクリートの最大の特徴は、内部が強いアルカリ性に保たれていることで中の鉄筋をサビから守っている点にあります。しかし、ジャンカという通り道があることで、状況は一変します。
隙間から雨水や空気中の酸素、そして二酸化炭素がグングンと内部へ吸い込まれていくのです。これにより、通常は鉄壁のバリアで守られているはずの鉄筋が急速に酸化し、茶色いサビが発生します。サビた鉄筋は、元の大きさよりも数倍に膨張する性質があります。
内側から膨らむ強烈な圧力に耐えかねて、周囲の頑丈だったコンクリートは内側から粉々にブチ壊され、最終的にベリベリと剥がれ落ちてしまいます。これがいわゆる爆裂現象と呼ばれるコンクリートの末路です。放置すればするほど、お住まいの寿命を縮める悪魔のドミノ倒しが静かに、そして確実に進行していきます。
我が家の基礎に見つかったハチの巣が、今すぐ本格的な対策を講じるべき致命的な欠陥なのか、それとも軽微な補修で済むレベルなのか、客観的な基準で判断することが極めて重要です。日本コンクリート工学協会(JCI)などの判定基準をベースにした、現場での危険度レベルのチェック表を以下にまとめました。
| 危険度レベル | 表面の状態と深さ | 内部の状況 | 構造への影響と推奨されるアクション |
|---|---|---|---|
| A(軽微) | 表面の浅い凹み(深さ10mm未満) | 砂利の露出はあるが空隙は浅い | 構造への影響は極めて小。美観向上のための薄塗り調整 |
| B(中度) | 砂利が完全に露出し、指が入る隙間がある | 内部に空洞があるが鉄筋は見えない | 放置すると雨水が浸入。速やかな断面修復が必要 |
| C(重度) | 鉄筋が露出している、または打診で空洞音が響く | 鉄筋のサビが始まっており内部がスカスカ | 極めて危険。防錆処理を伴う本格的なチッピングと修復が必須 |
プロの現場では、見た目の美しさだけで判断することは絶対にありません。たとえ小さなハチの巣であっても、テストハンマーで叩いたときにポコポコと軽い空洞音が返ってくる場合は、内部が重度のレベルCに達していると判断します。
業者の「上からセメントを塗って隠せば大丈夫」という甘い言葉を鵜呑みにせず、この基準をもとに論理的な対策を求める知識を持つことが、大切なマイホームを守るための第一歩となります。
新築の基礎や擁壁の型枠を外したとき、ハチの巣のようなボコボコした空隙を見つけてしまうと、本当に我が家は大丈夫なのかと夜も眠れないほどの不安に襲われますよね。
施工業者から「上から綺麗に化粧モルタルを塗って隠せば強度に影響はありません」と説明されても、その場しのぎの隠蔽工作ではないかと不信感が募るのも当然です。
実は、コンクリートにできた深い欠損部を埋めて構造物の寿命を30年先まで持たせるためには、特別な補修材料による断面修復が絶対に欠かせません。
なぜこれほどまでに特定の材料が推奨されるのか、その決定的な理由をプロの現場目線で解き明かしていきます。
ホームセンターなどで安価に手に入る、ただの砂とセメントを水で練っただけの「普通の砂モルタル」をジャンカの穴に詰め込むのは、絶対にやってはいけない最悪の選択肢です。
既存のコンクリートは非常に乾きやすく、新しいモルタルを塗りつけるとその瞬間にモルタル側の水分をスポンジのように急激に吸い取ってしまいます。
これにより、モルタルが硬化するために必要な水分が足りなくなり、ボソボソのカサカサになって固まる「ドライアウト現象」という恐ろしい硬化不良が発生します。
既存コンクリートと砂モルタルの接着寿命を比較してみましょう。
| 補修材料 | 既存コンクリートとの相性 | 3年後の状態 | 発生するリスク |
|---|---|---|---|
| 普通の砂モルタル | 水分を奪われ接着面が即座に乾燥 | 軽い衝撃でポロポロと剥がれ落ちる | 内部に水が浸入して鉄筋がサビる |
| 特殊な樹脂入りモルタル | 水分の移動を抑えて強力に一体化 | びくともせず完全に同化している | 高い防水性と強度を維持し続ける |
ドライアウトを起こしたモルタルは、見た目こそ一時的に平らになりますが、数年後には軽い揺れや温度変化による衝撃でパリッと剥がれ落ちてしまいます。
一度剥がれれば、そこから雨水が容赦なく侵入し、構造の命である中の鉄筋を確実にサビさせていくことになります。
では、一体なぜ専門家が指定する材料はこれほどまでに剥がれないのでしょうか。
その秘密は、セメントに配合されている「ポリマー」と呼ばれる高分子樹脂の驚異的な合体パワーにあります。
特に、電気的にプラスの性質を持つ「カチオン樹脂」が配合された液体は、マイナスの電荷を帯びている既存コンクリートの下地に対して、まるで磁石が引き合うように分子レベルでガッチリと吸着します。
この強力な一体化メカニズムは、以下のステップで完成します。
この技術があるからこそ、上から力をかけて引っ張っても、補修した継ぎ目から剥がれるのではなく、コンクリート本体がちぎれるほどの超高強度な断面修復が実現可能になるのです。
ネット上のDIYブログなどで「強度の高いエポキシパテをジャンカに詰め込めば一発で直る」という誤った情報を見かけることがあります。
確かにエポキシ樹脂は非常に硬く、接着力も優れていますが、それはあくまで水がかからない室内や一時的な接着での話です。
日差しが照りつける屋外の基礎や擁壁に有機系のエポキシパテを使用すると、季節ごとの過酷な温度変化に耐えきれなくなります。
コンクリートとエポキシ樹脂では、熱によって伸び縮みする割合を示す「熱膨張係数」が全く異なります。
夏の直射日光でコンクリートがわずかに膨張した際、エポキシパテはコンクリート以上に大きく動こうとします。
逆に、冬の凍結時には歪みが発生し、コンクリートとパテの境界線にミリ単位のズレが生まれるのです。
さらに、エポキシ樹脂は紫外線に非常に弱く、屋外で直射日光を浴び続けると数年で弾力性を失ってカチコチに劣化し、最終的にはゴッソリと浮き上がってしまいます。
セメントの性質をベースに作られ、屋外の紫外線や雨風に対してコンクリートと同等の耐久性を持つポリマー混入材料でなければ、我が家の土台を30年持たせることは絶対に不可能なのです。
ジャンカを見つけたとき、多くの不慣れな業者がやってしまう最大の過ちが、上からそのままモルタルを塗りつけて平らに見せる「お化粧」です。これでは数年後に確実に剥がれ落ち、内部の空洞化が進みます。
プロの現場では、まず補修エリアの境界線にダイヤモンドカッターを当て、深さ10mm以上の切れ目を垂直に入れます。境界を斜め(スロープ状)にするのではなく、カッターで垂直に切り込むことで、補修材の端部が薄くなるのを防ぎ、剥離のリスクをゼロにします。その後、電動ハンマーを使って、ボロボロとした脆弱なコンクリートを完全にハツリ落とす「箱型ハツリ」を徹底します。周囲を叩いたときに軽い空洞音がしなくなるまで、徹底的に奥の健全な地盤を引き出すことが、10年、30年と持たせるための絶対条件です。
| 工程名 | 処理方法の基準 | 期待できる耐久効果 |
|---|---|---|
| 境界カット | ダイヤモンドカッターで深さ10mm以上の垂直切り込み | 補修材の端部(ゼロすり付け)の剥離・ひび割れ防止 |
| チッピング | 電動ハンマーで脆弱部を完全に削り落とす | 健全なコンクリート躯体と補修材の強固な一体化 |
ハツリ作業を進めた結果、内部の鉄筋が露出した場合は細心の注意が必要です。鉄筋の表面に少しでも茶色いサビが残っていると、補修後にそのサビが酸素や微量な水分を吸ってさらに成長し、体積が何倍にも膨らんでしまいます。これが「鉄筋爆裂」と呼ばれる、コンクリートを内側から粉々に破壊する現象の正体です。
そのため、ワイヤーブラシや電動サンダーを使い、鉄筋の裏側までピカピカの金属光沢が見えるまでゴシゴシとサビを削り落とします。その後、防錆効果の高い専用スプレーやプライマーを、鉄筋の裏側の隙間にまで100%回り込ませるようにしてビッチリと吹き付け、空気や水分との接触を完全にシャットアウトします。
カラカラに乾燥したコンクリートの上にそのまま補修材を塗ると、既存のコンクリートが補修材の中の水分をスポンジのように一瞬で吸い取ってしまいます。これにより、モルタルが硬化するのに必要な水分が不足し、カサカサに乾いてボロボロになるドライアウト現象が起きます。
これを防ぐために、施工前に下地へたっぷりとシャワーで水を打つ散水作業を行い、コンクリートを十分に湿潤状態にしておきます。その上で、既存部分との接着力を極限まで高めるため、カチオン樹脂などを主成分とするポリマー混和液(吸水調整剤)をプライマーとしてムラなく均一にハケやローラーで塗り込んでいきます。
現場での「職人のカン」による水分の調整は、強度のバラつきを生む最大の原因です。コンクリートの断面を修復する補修材には、フィックスTSなどの準速硬性・高強度の高品質材料を使用しますが、これらの材料は水比が1%変わるだけで設計強度が大きく低下します。
私たちは現場にデジタル計量器(電子天秤)を持ち込み、その日の外気温や湿度を考慮しながら、メーカー指定の黄金比率の加水量を1グラム単位まで厳格に測定して混練します。ハンドミキサーを使って気泡や未攪拌のダマが一切残らないように、シルクのようになめらかで強靭な最強モルタルを練り上げます。
現場用デジタルスケールによる加水量の精密計測
外気温に合わせた硬化時間と配合比率の微調整
ハンドミキサーによる3分間以上の均一攪拌の徹底
練り上がった高品質な補修材をジャンカの空洞に詰める作業は、左官職人の腕の見せ所です。単にコテで表面をなでるだけでは、奥の隙間に空気が残り、ポコポコとした空洞が残ってしまいます。
壁面や天井面でも自重で垂れ下がりにくい、ダレ防止性能に優れた厚塗り用のポリマーセメントモルタルをコテに載せ、体重をグッと押し当てるようにして奥へ奥へと強く押し込みます。中の空気を外に押し出しながら、コンクリート内部の微細な隙間にまでモルタルを密着させることで、空隙をミクロン単位でゼロに仕上げます。
美しくコテで平らに仕上げたからといって、そこで作業は終了ではありません。ポリマーセメントモルタルが本来の強度を100%発揮し、コンクリートと一体化するためには、その後の「養生」が最も重要です。
特に夏の直射日光は急激な乾燥を引き起こし、収縮によるひび割れの原因になります。また、冬の寒さは水分をカチコチに凍らせてしまい、硬化不良を誘発します。仕上げ直後から初期硬化が始まるタイミングを見極め、霧吹きでやさしく水分を補給する散水養生を行い、その上から養生シートやマットで優しく覆うことで、デリケートな初期硬化の期間を守り抜きます。
住宅の基礎や大切な擁壁に発生してしまったハチの巣のような空洞を、ただ見栄えを良くするためだけに埋め戻しても意味がありません。再び剥がれ落ちる恐怖から我が家を守り、新築時と同等以上の強度を取り戻すためには、現場の状況や施工する厚みに合わせたプロ仕様の補修材料選びが勝負の分かれ目となります。
ここでは、建築のプロが現場で絶大な信頼を置いている代表的な断面修復材料の特徴を徹底的に比較し、どのような場面でどの材料を選択すべきなのかを分かりやすく解説します。
まずは、プロが実際に使用している主要な断面修復材のスペック比較表をご覧ください。
| 材料名 | 対応する施工厚み | 主な特徴と強み | 最適な用途 |
|---|---|---|---|
| フィックスTS | 10mmから50mm | 準速硬性で超高強度、NEXCOの厳しい品質規格にも適合する断面修復の王道 | 深いジャンカや鉄筋が露出した構造部の肉盛り補修 |
| フィックスLS | 0mmから10mm | 軽量でコテ伸びが良く、薄塗りでも下地に分子レベルで強力に密着 | 表面の軽微なハチの巣跡や不陸調整、左官の肌合わせ |
| 市販のモルタルパテ | 0mmから数mm | ペースト状で手軽に扱えるが、強度の復元や肉厚な充填には非対応 | 非構造部である土間の隅や軽微なひび割れの簡易穴埋め |
高速道路の橋脚やトンネルといった、一瞬の妥協も許されない過酷なコンクリート補修現場でトップシェアを誇る超エリート材料が、このフィックスTSシリーズです。
一般的な砂モルタルは完全に固まって本来の強度が出るまでに約4週間という長い時間を要しますが、フィックスTSは準速硬性という驚異的な初期硬化スピードを持っています。数時間後にはカチカチに固まり始め、実用強度に達するまでの時間が圧倒的に早いため、夏の急激な乾燥や冬の凍結といった外気温のトラブルにさらされる時間を最小限に抑えることができます。
さらに、硬化するときの体積収縮がほとんどない無収縮タイプであるため、既存のコンクリートとの境界線に髪の毛一本ほどの微細な隙間すら作りません。これにより、隙間から侵入する雨水や酸素を完璧にシャットアウトし、内部の鉄筋を未来永劫サビから守り抜くことができるのです。
まさにコンクリートの断面を新築時の健康な状態へ復元するための絶対的なエースと言えます。
構造的な危険度は低いものの、表面にうっすらとハチの巣のようなザラザラした跡が浮き出てしまった場合や、型枠の継ぎ目にできた段差を綺麗に整えたいときに大活躍するのがフィックスLSです。
通常のモルタルは、厚みが10mmに満たないような薄塗りをすると、既存のコンクリートにモルタル内部の水分を吸い取られてしまい、パリパリに乾いて剥がれ落ちるドライアウト現象を起こします。しかし、フィックスLSには保水性と高粘着性を生み出す特殊なカチオン系ポリマーがあらかじめ配合されているため、わずか数ミリの薄さで塗り広げても下地にぴったりと吸い付き、まるで吸盤のように強固に一体化します。
非常に軽くてコテ伸びが良いため、職人が表面を平滑に美しく整える左官仕上げの際にも、なめらかなお肌を作るように完璧な下地調整を施すことが可能です。
「ホームセンターで数百円で売っている補修パテを使って、自分でサッと塗って隠してしまおう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、住宅の命とも言える基礎や擁壁の構造補修において、DIY用の簡易材料を使用することは非常に危険な選択です。
チューブ式やカップに入った市販のモルタルパテは、あくまで植木鉢の欠けや玄関アプローチのタイルの目地、または荷重が全くかからない非構造部の軽いひび割れを一時的に埋めるために作られています。これらは樹脂の配合比率やセメント自体の強度が根本的に不足しており、コンクリートの自重や家全体の荷重を支えるための圧縮強度を持っていません。
表面だけを簡易パテで塞いでしまうと、数ヶ月の温度変化による伸び縮みで境界線からゴッソリと浮き上がり、目に見えないパテの裏側で雨水が溜まって鉄筋の腐食を急速に進める原因になります。我が家を30年以上長持ちさせるためには、強度のエビデンスが明確なプロ用の材料を用いて、正しい手順で断面修復を行うことが唯一の正解です。
せっかく建てた新築のマイホームの基礎や、お庭の擁壁にボコボコとした蜂の巣のようなジャンカを見つけてしまったとき、施主様が抱く不安は計り知れません。ハウスメーカーや下請けの工務店から「見た目だけの問題ですから、上から綺麗にモルタルを塗っておきますね」と笑顔で言われても、簡単に納得してはいけません。
実は、現場では「余った普通の砂モルタルを指で穴に押し込み、上から薄化粧をして数分で隠蔽する」というその場しのぎの補修が日常茶飯事で行われています。これでは、コンクリート本体の水分が乾いた補修材に急激に吸い取られるドライアウト現象が発生し、数ヶ月後にはパリパリと剥がれ落ちてしまいます。
本物の補修が行われたかどうかは、工事中や工事の直後にあるポイントをチェックすることで簡単に見抜くことができます。大切な資産の寿命を守るために、ご自身でできる3つの防衛策をプロの視点から伝授します。
まずは業者が作業を終えて帰ったその日のうちに、補修された場所のまわりの地面をそっと観察してみてください。
ジャンカの正しい補修プロセスにおいて、最も重要で、かつ職人が一番嫌がる面倒な作業が下地処理です。劣化した部分や強度不足のスカスカしたコンクリートを、ダイヤモンドカッターや電動ハンマーを使って物理的に削り落とすハツリ(チッピング)という作業が絶対に欠かせません。この作業を行うと、現場の床や地面には必ずコンクリートを削り取った細かな砂利のカケラや、白い粉塵が散らばります。
もしも、補修箇所の周辺が不自然なほど綺麗で、コンクリートの削りガラがひとかけらも落ちていない場合は注意が必要です。ハツリ作業を一切行わずに、既存のボロボロした穴の上から直接モルタルを塗って隠した手抜き工事の決定的な証拠と言えます。下地処理をサボったモルタルは、数年以内に自重や地震の揺れで簡単に剥がれ落ちてしまいます。
見た目は平らで、グレーのモルタルで美しく均一に仕上げられているように見えても、内部が本当に既存のコンクリートと一体化しているかは分かりません。それを一瞬で見破る方法が、打診による音の聞き比べです。
プロの検査員が使うテストハンマー、あるいはご自身の指の関節を使い、補修された部分とその周囲の正常なコンクリート部分を優しくコンコンと叩き比べてみてください。
| 叩いたときの音 | 内部の状態 | 危険度と将来の予測 |
|---|---|---|
| コツコツ、キンキンと硬く響く音 | 隙間なくモルタルが充填され、既存コンクリートと完全に密着している状態 | 安全。鉄筋が保護され、30年以上長持ちする状態です |
| ポコポコ、コンコンと軽くて鈍い音 | 既存のコンクリートと補修モルタルの間に隙間(浮き)が存在している状態 | 危険。隙間に水や酸素が入り込み、数年で鉄筋がサビて爆裂します |
もしポコポコと間抜けな軽い音が返ってきたら、それは見かけ倒しのお化粧モルタルが塗られているだけの証拠です。いずれ温度変化や振動でベリッと剥がれ落ち、内部でこっそり鉄筋のサビが進行することになります。
「これくらいのジャンカなら強度に影響ありませんよ」という担当者の言葉を、口約束だけで信用してはいけません。補修工事が始まる前に、必ず「ジャンカの深さと範囲が分かる、ミリ単位の定規(スケール)を当てた施工前の写真」を撮影して提出するよう要求してください。
これにより、業者は手抜きの薄塗りで誤魔化すことができなくなります。深さが数十ミリに及ぶような重度なジャンカの場合、普通のモルタルではなく、高耐久で無収縮なポリマーセメントモルタルによる断面修復仕様での施工が必須となるため、業者側も精度の高い施工をせざるを得なくなります。
後々のトラブルを防ぎ、我が家の資産価値を守るためにも、言い逃れのできない写真データを書面と一緒にしっかりと手元に残しておくことが、施主様にできる最強のセルフ防衛術です。
お住まいの基礎コンクリートに見つかったハチの巣のような空洞に対して、業者が「これくらいなら、ちょっとセメントを塗っておけば大丈夫ですよ」と軽く済ませようとしていませんか。
実は、日本のインフラを支える高速道路や公共建築の補修工事現場では、コンクリートの断面を復旧するために非常に厳格なルールが敷かれています。絶対に崩れてはいけない巨大建造物と同様の補修基準を私たちの住宅の基礎に適用することこそが、大切な我が家の寿命を30年先まで引き延ばす唯一の正解です。
公共建築改修工事標準仕様書や日本コンクリート工学協会の判定基準では、構造物の耐震性や耐久性を元の状態に戻す「断面修復」を行う際、充填する材料に対してコンクリート本体と同等、あるいはそれ以上の強度が要求されます。
ここで言う強度とは、上からの重さに耐える圧縮強度だけでなく、地震の揺れや建物の歪みに追従する曲げ強度や引張強度、さらにはコンクリート同士が一体化する付着強さまでを含みます。
一般住宅のコンクリート強度がおおむね21〜24ニュートン程度であるのに対し、断面修復に用いられるプロ仕様の品質基準は以下のように定められています。
信頼できる補修材の最低品質基準(JISおよび公共仕様に準拠)
| 評価項目 | 求められる基準値(外気温20度環境下) | 住宅基礎における役割 |
|---|---|---|
| 圧縮強度(28日後) | 25ニュートン(N/平方ミリメートル)以上 | 建物の重さや地震の衝撃に耐える強さ |
| 曲げ強度(28日後) | 4.5ニュートン以上 | 地震や地盤沈下によるしなりに耐える強さ |
| 付着強さ(既存部との接着力) | 1.5ニュートン以上 | 地震の揺れでも既存基礎から剥がれない強さ |
| 長さ変化率(収縮対策) | マイナス0.10パーセント以内(無収縮) | 乾燥して縮むことによる隙間やひび割れの防止 |
この基準をクリアしているからこそ、地震が来ても補修した部分だけがポロッと抜け落ちるような事態を防ぎ、新築時以上の強固な足元を手に入れることができます。
リフォーム現場や新築の引き渡し前補修で、信じられないことに「ハイモル」などの一般的な薄塗り用下地調整材や左官モルタルをそのままジャンカの穴に詰め込んで蓋をしてしまうズボラな業者が後を絶ちません。
これは専門家から見れば、骨折した足に湿布だけを貼って「治りました」と言っているようなものです。名前や見た目が似ているため混同されがちですが、用途が完全に異なります。
ハイモルなどに代表される下地調整材は、コンクリート表面のわずかな凸凹や傾きを平らに整え、上から塗装やタイルを綺麗に仕上げるための「お化粧用」です。これらは1ミリからせいぜい数ミリの厚みで塗ることを想定して作られており、空洞を埋めるための強度を持っていません。
もし、数センチにも及ぶ深い空洞にこうした下地調整材を厚く詰め込んでしまうと、以下のような致命的なトラブルが発生します。
下地調整材を深部充填に使用した際の不具合プロセス
急激な乾燥(ドライアウト)が起こり、セメントが十分に固まらず触ると粉を吹く状態になる
乾燥硬化にともないモルタルが大きく収縮し、既存コンクリートとの境界にぐるりと隙間(ひび割れ)ができる
境界の隙間から雨水や炭酸ガスが浸入し、内部の鉄筋を急速にサビさせて爆裂現象を引き起こす
台風や地震によるわずかな振動で、詰め込んだモルタルの塊がゴソッと丸ごと脱落する
このように、お化粧モルタルによる手抜き補修は、一時的に見た目を綺麗に隠すだけであり、建物の強度を奪う時限爆弾を埋め込む行為にほかなりません。
基礎や擁壁の構造強度を確実に復元するためには、粘り強さと絶対的な接着力を兼ね備えたポリマーセメントモルタルによる断面修復が絶対に欠かせないのです。
一生に一度のマイホームの土台にポコポコとしたハチの巣のような空洞を見つけてしまったら、不安で夜も眠れなくなってしまいますよね。そんな施主様の不安に付け込み、表面だけを一般的な砂モルタルで綺麗に塗りつぶして「直しました」と嘘をつくゴマカシ工事が、実は建築業界の裏側で横行しています。
私たち株式会社匠美は、国家資格である一級塗装技能士のプライドと、厳しい審査をクリアした建設業許可の看板にかけて、見栄えだけを取り繕うような手抜き補修を絶対に許しません。
一度発生したジャンカは、ただ上からセメントを塗るだけでは数年後に水分を吸い取られてパリパリに剥がれ落ちてしまいます。10年後や20年後も家をしっかりと支え続けるためには、脆くなった部分をダイヤモンドカッターで垂直に切り込み、電動ハンマーで泥臭くハツリ落とす作業が絶対に欠かせません。鉄筋のサビを1ミリ単位で削り落とし、断面を完全にリセットしてから、緻密に配合されたポリマーセメントモルタルを圧着充填していく。この見えなくなる下地処理への飽くなき執念こそが、私たちの命です。
坂道が多く、高低差を支えるための頑丈なコンクリート擁壁や、複雑な傾斜地に建てられた住宅が多い横浜エリア。さらに海からの塩分を含んだ風が吹き抜けるため、一度コンクリートの内部に隙間ができると、あっという間に鉄筋の酸化が進んでしまいます。
こうした過酷な環境において、私たちは数多くのジャンカ補修を成功させてきました。浅い不陸調整で済むものから、鉄筋が露出してしまっている重度なものまで、状態に応じた適切な断面修復材を選択することが強度復元への唯一の道です。
以下に、私たちが現場で実践しているトラブル解決の判断基準をまとめました。
| ジャンカの深刻度レベル | 発生している具体的な状態 | 匠美が実施するプロの断面修復アプローチ |
|---|---|---|
| 軽度(深さ10mm未満) | 表面に砂利の跡が見える程度の浅い空隙 | 表面を清掃後、フィックスLSなどの軽量モルタルで緻密に平滑化 |
| 中度(深さ10mm以上) | 鉄筋は露出していないが奥深くまで空洞がある | 境界をボックス状にハツリ、フィックスTSで強固に充填 |
| 重度(鉄筋の露出あり) | コンクリートの奥にある鉄筋が完全に見えている | 鉄筋のケレンと防錆処理を施し、ポリマーセメントで一体化 |
地域の気候特性を熟知しているからこそ、その場しのぎではない、コンクリート構造物の寿命を極限まで延ばす施工を実現しています。
「本当に奥まで削ってくれたのかな」「モルタルを塗る前にサビ止めは塗ってくれた?」工事中に抱くこんな疑問や心配を、私たちはすべて解決します。
お仕事や家事で忙しく、日中の施工現場に立ち会えない施主様のために、私たちは毎日の作業進捗をLINEで写真と共にリアルタイムでご報告する体制を徹底しています。
ハツリ作業で脆いコンクリートを完全に削り落とした瞬間のスケール付き写真
露出した鉄筋に防錆スプレーをムラなく吹き付けた裏側の証拠写真
規定の加水量を電子天秤で1グラム単位まで精密に計量している混練時の様子
コテ圧をしっかりとかけて空隙をゼロに充填した仕上げ後の美しい姿
まるで現場の職人の真横で見守っているかのような実況中継システムにより、すべての工程を「わかる化」しています。見えなくなる基礎の内部だからこそ、一切の不透明さを排除した誠実な施工をお約束いたします。
著者 – 匠美
私たちが横浜エリアで数多くの住宅リフォームに携わる中で、「新築なのに基礎にハチの巣のような空洞(ジャンカ)がある」「他社に直してもらったが数年で剥がれてきた」という切実なご相談を何度も受けてきました。実際に現場へ駆けつけると、ハツリ処理をせず、市販の簡易パテや砂モルタルで表面だけを薄化粧して隠した手抜き補修により、内部で鉄筋のサビや爆裂が進行している悪質な事例を何度も目にしてきました。コンクリートの基礎は住まいを支える最も重要な土台であり、いい加減な処置は家の寿命を縮めます。だからこそ、カッターによる垂直カットやフィックスTSを用いた電子天秤による正確な調合など、公共工事基準の妥協のない断面修復技術を皆様に知っていただくために筆を執りました。大切な我が家を守るため、業者の甘い言葉や施工ミスに騙されない真実の防衛策を、現場目線で分かりやすくお伝えします。
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