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2026.05.28

お家の基礎に走るひび割れを見つけ、いつか建物が倒壊するのではないかと不安に苛まれていませんか。ネットで推奨されるエポキシ樹脂での基礎補修は、幅0.3mm以上の構造クラックに対して非常に有効な解決策であり、コンクリートの内部まで浸透して一体化させ、鉄筋のサビ(爆裂現象)を防ぐ役割を果たします。しかし、ただエポキシ樹脂を流し込んで埋めるだけの施工では、わずか数年でボロボロになるという致命的な落とし穴が存在します。
実は、エポキシ樹脂は紫外線に極めて弱く、補修後にモルタルや巾木塗装で保護しなければ急激に劣化してしまいます。また、雨上がりにDIYを行いコンクリート内部の湿気と反応して硬化不良を起こすなど、素人施工には高いハードルがつきまといます。本記事では、身近な道具でひび幅を見極めるセルフチェック手法から、プロが状況に応じて使い分ける低圧低速注入工法やUカットシール工法の基準、失敗しないDIYの限界値までを徹底解説します。この記事を読めば、手抜き工事の罠を見抜き、最小限の費用で我が家の寿命を最大化する本物の知識が手に入ります。
大切なマイホームの足元にひび割れを見つけると、地震のたびに家が押しつぶされてしまうのではないかと不安で胸がいっぱいになりますよね。慌ててシリコンなどのコーキング材をホームセンターで買ってきて、隙間に指で押し込んで安心しようとする方が非常に多いのですが、実はそれは大きな間違いです。表面だけをなでるようなその場しのぎの補修では、基礎の内側に潜む本当のひび割れを全く塞げていません。
コンクリートのひび割れの深部、つまり目に見えないミクロの隙間まで徹底的に浸透し、基礎そのものの強度を新築時以上に引き上げる唯一無二の相棒が、エポキシ樹脂を用いた注入工法です。
エポキシ樹脂は、さらさらとした液状の状態で基礎の割れ目に送り込まれます。まるで乾いた砂が水をぐんぐんと吸い上げていく毛細管現象のように、コンクリートの内部深くまでスルスルと入り込んでいく特性を持っています。そして、一度隙間の最深部まで満たした樹脂が化学反応を起こしてカチッと硬化すると、コンクリートを引っ張る力に対して元のコンクリート以上の強度でガッチリと接着します。
専門的な材料強度の試験データから見ても、その結合力は驚異的です。
| 項目 | 一般的なコンクリート | エポキシ樹脂(注入後硬化時) |
|---|---|---|
| 引張接着強度 | 約2.0〜3.0 N/mm2(非常に脆い) | 約10.0〜15.0 N/mm2以上 |
| 特徴 | 引っ張る力に弱く、すぐに割れる | コンクリートそのものより頑丈に接着 |
| 補修後の効果 | 自重を支えるのが限界 | 割れた部分が一番強固な壁に生まれ変わる |
このように、ただ隙間を埋めるだけではなく、割れる前よりもはるかに強い「一体の頑丈な土台」へとはめ込む力こそが、このエポキシ樹脂補修における最大の強みなのです。
基礎のひび割れが引き起こす本当の恐怖は、実はコンクリートが割れること自体ではありません。ひび割れの隙間からじわじわと染み込んでいく「雨水」と「空気」が、コンクリートの中に隠されている鉄筋に到達することです。
本来、コンクリートは強いアルカリ性でおおわれているため、内部の鉄筋が錆びることはありません。しかし、ひび割れから雨水や二酸化炭素が侵入すると、コンクリートは中性化し、中の鉄筋が一気にサビ始めます。鉄は錆びると、元の体積の数倍から十数倍にまで大きく膨張します。すると、内側からコンクリートを凄まじい力で押し出し、基礎を粉々に破壊してしまう「爆裂現象」という大惨事を招くのです。
エポキシ樹脂を注入することは、この破壊プロセスを根元から遮断することを意味します。硬化したエポキシ樹脂は完全な防水・防錆シールドとなり、空気や雨水の通り道を完璧に封鎖します。
プロの施工現場でよく使われる高性能なエポキシ補修システムは、以下のような緻密な多層ブロック構造で雨水をシャットアウトします。
微細な末端のクラックまで樹脂が到達し、内部の鉄筋の周囲を包み込んで防錆膜をつくる
コンクリート内部の空隙を樹脂が完全に充填し、水の通り道となるバイパスを全滅させる
水分と結合しない高分子の壁を形成し、半永久的にコンクリートの中性化を防ぎ続ける
ただセメントの粉を水で溶いて塗っただけでは、セメント自体の細かな穴から再び水が浸入してしまいます。コンクリートを内側の病気から守り、大切な我が家の寿命を何十年も延ばし続けるためには、水も空気も一滴すら通さないこの鉄壁のバリア機能が絶対に不可欠なのです。
我が家のコンクリート足元にスーッと伸びたひび割れを見つけると、地震で家が壊れてしまうのではないかと急に不安に襲われますよね。
ネットで検索すると、エポキシ樹脂での基礎補修といった専門的な工事方法が山ほど出てきますが、本当にそこまで大がかりな修理が必要なのか、まずは自分で見極めたいところです。
実は、プロが現場で使う専用のクラックスケールが手元になくても、ご自宅のテーブルの上や引き出しの中にある身近な日用品を使うだけで、今すぐ補修すべき危険なひび割れかどうかを瞬時に見分けることができます。
まずはご自宅の基礎に走るその黒い線に、次の3つのアイテムをそっとあてがってみてください。
危険度と適切なメンテナンス方法を一覧にまとめましたので、判定の参考にしてください。
| 判定レベル | 使用するアイテム | ひび割れの幅の目安 | 基礎の危険度と必要な対応 |
|---|---|---|---|
| レベル1 | コピー用紙 3枚 | 0.3mm 未満 | 安全(経過観察または表面の簡易塗装) |
| レベル2 | シャープペンの芯(0.5mm) | 0.3mm 〜 0.5mm | 黄色信号(エポキシ樹脂による注入補修が必要) |
| レベル3 | クレジットカードの角 | 0.8mm 以上 | 赤信号(ただちに専門業者による構造診断を推奨) |
まずは、デスクまわりやプリンターの中にある一般的なコピー用紙を3枚重ねて用意してください。
普通のコピー用紙は1枚あたりの厚さが約0.09mmですので、3枚重ねると約0.27mm、つまりプロが補修の基準とする0.3mmの境界線に極めて近い厚みになります。
この3枚に重ねた紙の角を、基礎のひび割れに対して垂直にスッと差し込もうとしてみてください。
もし、紙がクニャッと折れてしまって隙間にまったく入っていかないのであれば、それはヘアクラックと呼ばれる表面上の浅いひび割れです。
コンクリートが乾燥して縮むときに発生するお決まりの現象ですので、構造的な強度が落ちているわけではありません。
この段階であれば、わざわざ高額なエポキシ樹脂による基礎補修を急ぐ必要はなく、次回の外壁塗装やモルタル塗りのタイミングで、表面にアクリル系の防水パテを薄く塗る程度のメンテナンスで十分に我が家を守ることができます。
もしコピー用紙がスルリと隙間に入ってしまったら、次は学生時代からお馴染みの0.5mmのシャープペンシルの芯を準備してください。
この0.5mmの芯をひび割れの溝に対してそっとあてがってみます。
芯が溝のなかにすっぽりと収まり、さらにコンクリートの奥へスライドするような感触がある場合は、完全に幅0.3mm以上の構造クラックに達しています。
これはコンクリートの表面だけでなく、内部の深いところまで亀裂が貫通しているサインです。
この状態を放置すると、梅雨の長雨や台風の雨水がコンクリートの奥深くまで染み込んでいき、中に眠っている鉄筋に到達してしまいます。
水に触れた鉄筋がサビて膨張すると、内側からコンクリートを自ら粉々に押し出す爆裂現象を引き起こし、基礎そのものの寿命を一気に縮めてしまいます。
0.5mmの芯が入るひびは、エポキシ樹脂での基礎補修を本格的に検討すべき確実な黄色信号です。
最後にお財布を開いて、お持ちのクレジットカードやキャッシュカードの角をひび割れにあててみてください。
プラスチック製のカードの厚みは、国際規格で約0.76mmから0.8mmと厳密に決められています。
もしこの硬いカードの角が、ひび割れの中に何の抵抗もなくヌッと入り込んでしまうようであれば、それは土台が受けている歪みがかなり大きくなっている証拠です。
幅0.8mm以上の隙間は、単なる経年劣化の枠を完全に超えており、地震による強い揺れや、建物の重みが不均等にかかる不同沈下によって基礎が真っ二つに割れかけている赤信号の状態を意味します。
これほど大きな亀裂になると、コンクリートが崩れ落ちるリスクが高く、DIYキットで接着剤を流し込んで塞ぐといった素人作業では到底太刀打ちできません。
コンクリートの耐力を新築時以上に引き戻すためには、高圧でじっくりとエポキシ樹脂を注入するか、ひび割れを大きく削ってから埋める特殊な工法が必要不可欠です。
手遅れになって住まいが傾いてしまう前に、信頼できる本物の技術を持ったプロの診断を仰いでください。
コンクリートの割れ目を強固に塞いでくれる頼もしい補修材ですが、現場のリアルな経験からお伝えすると、実は万能の魔法ではありません。ネットの解説や業者の甘い言葉を鵜呑みにして施工すると、後から手痛いしっぺ返しを食らうケースが後を絶たないのです。
まずは、他社が決して積極的には語ろうとしないエポキシ樹脂の致命的な弱点と、それを克服するためのプロの技術的なアプローチについて、包み隠さずお話しします。
驚異的な接着強度を誇るエポキシ樹脂ですが、実は太陽光に含まれる紫外線が大の苦手という致命的な弱点があります。
未対策のまま放置されたエポキシ樹脂は、紫外線にさらされ続けると、早ければわずか3年ほどで硬化不良のような状態に陥り、プラスチックが劣化したときのように黄色く変色して脆くなります。最終的には爪で引っ掻くだけで砂のようにボロボロと崩れ、隙間から再び雨水が侵入して中の鉄筋をサビつかせてしまうのです。
樹脂の性質によるメリットと致命的なデメリットの比較は以下の通りです。
| 性質・項目 | メリット(得意なこと) | デメリット(苦手なこと) |
|---|---|---|
| 接着・引張強度 | コンクリートを一体化する圧倒的な結合力 | 地震による激しいズレや繰り返しの引っ張り |
| 防水・防錆性 | 隙間をミリ単位で密閉し雨水を完全シャットアウト | 濡れたコンクリートへの施工(硬化不良を起こす) |
| 耐候性(寿命) | 湿気や酸素を遮断し内部の鉄筋サビを防ぐ | 紫外線(日光)を浴びると数年で変色・粉砕する |
このように、素材そのものは非常に優れていても、施工後の保護を怠るとせっかくの強度が台無しになってしまいます。
ひび割れの奥深くまで樹脂を注入し、表面からはみ出た余分なドロドロの液を削り取っただけで「はい、工事完了です!」と引き上げる業者が実にたくさん存在します。しかし、これは業界の悪しき手抜き工事の典型例です。半透明の樹脂が露出した状態では、先ほどお伝えした紫外線による劣化がすぐに始まってしまいます。
私たち専門家が美観と耐久性を維持するために絶対に行うのが、カチオン系と呼ばれる強力な接着力を持つセメント系補修材で下地を完璧に平滑に整え、その上から基礎巾木専用の保護塗料を3回しっかりと塗り重ねる工程です。
このひと手間を加えることで、補修箇所が日光から永久に遮断され、大切なコンクリートの土台を20年、30年と守り続けることが可能になります。美観を新築同様に戻すためにも、この仕上げ工程を削る選択肢はあり得ません。
もう一つ、お客様が冷静に見極めるべき限界があります。それは、注入工法はすでに発生してしまったひび割れを接着する治療法であり、家が傾く原因そのものを引き抜く手術ではないという事実です。
もし、お住まいの地盤が不均等に沈み込む不同沈下を起こしている場合、地盤が家を支えるバランスが崩れているため、土台には常に凄まじい引き裂き圧力がかかり続けています。この根本原因を無視して、割れ目だけに樹脂を流し込んでガッチリ固めても、数ヶ月から2年ほど経つと、接着した部分のすぐ真横に新しいひび割れがピキピキと発生してしまいます。
これこそが、何度も補修を繰り返すリピートひび割れの恐怖です。ひび割れの幅や走り方、サッシの開閉の重さなどからお家の歪みのサインを読み取り、地盤そのものの対策が必要なのか、あるいは乾燥収縮による一時的な割れなのかを正確に見極める眼力こそが、無駄なリフォーム費用を払わないための最大の防衛策となります。
お家の足元に刻まれたひび割れを発見したとき、「とりあえず上から何か塗っておけば大丈夫だろう」と考えるのは非常に危険です。コンクリートのひび割れはその幅や深さ、そして基礎が置かれている現在の悲鳴の度合いによって、施すべきリハビリ工法が180度異なります。
プロの現場では、コンクリートの状態を冷静に見極め、エポキシ樹脂を用いた2つの高度な注入技術を明確に使い分けています。
| 工法の種類 | 適応するひび割れの目安 | 工法の目的とアプローチ | 期待できる効果 |
|---|---|---|---|
| 低圧低速注入工法 | 幅0.2mm〜2.0mm未満(微細なひび) | ゴムの圧力を使い、丸1日かけて最深部までじわじわ浸透させる | コンクリートとの完全一体化・鉄筋の防錆 |
| Uカットシール工法 | 幅2.0mm以上(欠損や重度のひび) | 工具で溝を掘り、厚みを持たせて樹脂やモルタルを強固に充填する | 断面強度の復旧・確実な雨水シャットアウト |
基礎のクラックは放置すると雨漏りのように水が侵入し、内部の鉄筋を錆びらせてコンクリートを内側から破壊します。だからこそ、その傷口に合わせた正しいアプローチが必要不可欠なのです。
髪の毛よりは太いけれど、まだコンクリートが大きく欠けてはいないデリケートなひび割れには、低圧低速注入工法が絶対的な威力を発揮します。
この工法は、無理な力でグイグイと樹脂を押し込むことはしません。そんなことをすれば、基礎の内部に残った空気の逃げ道がなくなり、手前側だけで樹脂が詰まって奥まで届かなくなるからです。
現場では、ひび割れに沿って数十センチ間隔でシリンダーと呼ばれる専用の注入器具を設置し、輪ゴムやスプリングの縮もうとする復元力を利用します。
超微圧でのアプローチ:コンクリートを傷つけない優しい圧力(0.1メガパスカル以下)を維持します。
毛細管現象の応用:コンクリートが乾いたスポンジのように、エポキシ樹脂を自ら吸い上げる動きをサポートします。
空気の自然排出:コンクリート内部の空気を押し出しながら、24時間近くかけて最深部まで樹脂を満たします。
この工法の最大のメリットは、コンクリート自体を削り取ることなく、新築時以上の強度でひび割れの両側をガッチリと接着できる点にあります。ただし、雨上がりの湿ったコンクリートに施工すると、隙間に残った水分と反応してエポキシ樹脂が牛乳のように白濁して固まらなくなるため、完全に乾燥した絶妙なタイミングを見極める職人の目利きが求められます。
一方で、すでにコンクリートの断面がボロボロと崩れかけていたり、名刺が何枚も重なって入るほど大きな口を開けているひび割れに対しては、低圧注入工法では刃が立ちません。樹脂が奥へ届く前に、手前からダラダラと漏れ出てしまうからです。
ここで登場するのが、あえて傷口を広げるUカット(あるいはVカット)シール工法です。
一見すると「大切な基礎をわざわざ削るなんて」と不安になるかもしれませんが、これこそが重症化した基礎を救うための外科手術です。専用のダイヤモンドカッターを使い、ひび割れに沿って深さ10mmから15mmほどのU字型の溝を彫り込みます。
削り取った強固な溝にプライマーを塗り、超高粘度のエポキシ樹脂や軽量モルタルを隙間なく充填することで、傷口は新築以上のタフさを取り戻します。
私たちプロの視点から言わせていただくと、この削る作業の段階で発生する粉塵をどれだけ丁寧に掃除機で吸い出せるかで、10年後の耐久性に天と地ほどの差が出ます。ただ埋めるだけの見た目重視の工事に騙されないためにも、工法の裏側にある職人の手間にぜひ注目してください。
ネット通販の普及によって、プロが現場で使用するような本格的なエポキシ樹脂注入キットが誰でも手軽に購入できるようになりました。
「業者に依頼すると数万円から数十万円かかる工事が、DIYキットを使えば1万円前後の材料費だけで安く直せる」という甘い言葉に誘われて、自ら補修に挑戦する一戸建てのオーナー様は非常に増えています。
しかし、コンクリートの基礎補修は、ただひび割れにセメントや樹脂を流し込むだけの簡単な作業ではありません。
DIYキットの取扱説明書には決して書かれていない「現場のリアルな難易度」が存在します。
生半可な知識と準備だけで挑んだ結果、基礎を直すどころか、回復不能な大損害を招いてしまう素人施工の悲劇的な実態をプロの視点から暴露します。
以下の表は、DIYでの補修に挑戦したものの、失敗して最終的に専門業者へリカバリーを依頼することになった際にかかる実際の「金銭的な手残り(損失)」の比較です。
| 施工の区分 | 初期費用(材料・道具代) | 失敗時の補修・撤去費用 | 最終的な自己負担額 |
|---|---|---|---|
| 最初からプロに依頼 | 約50,000円〜 | 0円(長期保証付き) | 約50,000円〜 |
| DIYで大失敗してリカバリー依頼 | 約15,000円 | 約120,000円〜(硬化樹脂の削り取り等含む) | 約135,000円〜 |
自ら手を動かして費用を浮かせようとした結果、プロに最初から依頼する場合の2倍以上の金額を支払う羽目になるケースが後を絶ちません。
低圧低速注入工法などのDIYキットを使用する際、最も重要でありながら初心者が最も失敗しやすいのが「注入ポート(シリンダーを取り付ける台座)」の貼り付け工程です。
このポートは、ひび割れ部分にエポキシ樹脂を高い密着度で注入するための発射台となる重要な器具です。
しかし、ここでコンクリートの表面に付着している粉塵やカビ、コケなどの汚れを完全にワイヤーブラシなどで除去しきれていないと、どれだけ強力な接着剤を使っても土台ごと剥がれてしまいます。
さらに、市販のクイックエポキシ接着剤の量をケチって薄く塗ってしまったり、ポートの隙間を完全にシーリング材で密閉できていなかったりすると、恐ろしいトラブルが発生します。
樹脂の充填を開始し、スプリングやゴムによる圧力が加わった瞬間、
「ポンッ!」
という乾いた破裂音とともにポートが基礎から弾け飛びます。
シリンダー内に満たされていた粘り気のある高価なエポキシ液が一気に周囲へ噴出し、お庭の砂利や植木、玄関アプローチの化粧タイル、さらには作業していたご自身の衣服や顔にまでベッタリとこびりつく大惨事へと発展します。
エポキシ樹脂は一度化学反応を起こして硬化すると、カチカチのプラスチックの塊になります。
コンクリートやタイルにへばりついた樹脂は、家庭用の洗剤や高圧洗浄機では1ミリも落とせません。
ディスクグラインダーなどの電動工具で火花を散らしながら、基礎の表面ごと削り取るしか除去する方法がなく、美観は無残な姿になってしまいます。
「週末の土曜日が雨だったけれど、日曜日にはすっかり晴れたから絶好の作業日和だ」と判断してDIYを始めてしまうことこそ、取り返しのつかない致命的なミスを誘発する引き金です。
コンクリートは非常に高い吸水性を持つスポンジのような構造をしています。
雨が止んで表面が乾いているように見えても、0.3mm以上の幅を持つ構造クラックの奥深くには、前日の雨水がたっぷりと染み込んで停滞しています。
標準的なエポキシ樹脂は水分を極端に嫌う性質を持っています。
水とエポキシ樹脂が混ざり合うと、硬化不良という致命的な化学反応のバグを起こします。
本来であれば透明、あるいは薄いグレーに固まるはずの樹脂が、隙間の奥で水分を抱き込み、まるで牛乳のように真っ白に濁ってドロドロのまま固まらなくなってしまいます。
コンクリート内部に溜まった水分と樹脂が反応し「白濁化」する
化学反応のバランスが崩れ、硬化剤が機能せずゼリー状のまま放置される
隙間の奥で固まらないため、雨水の侵入を防ぐ「防水バリア」の役割を全く果たさない
内部に残ったフニャフニャの未硬化樹脂は後から吸い出すこともできず、プロでも補修不可能な状態になる
この状態に陥ると、ひび割れの奥に「決して固まることのない異物」を自ら注入したことになり、基礎の強度は回復するどころか、むしろ隙間に水が溜まりやすくなって内部の鉄筋のサビ(爆裂現象)を急激に加速させます。
私たちは、雨が止んでから丸2日以上、コンクリートの芯まで完全に乾燥したことを水分計の数値などで確認するまで、絶対に樹脂の注入作業は行いません。
プロが持つ「天候を見極める厳しい目」と「下地調整の執念」があって初めて、エポキシ樹脂はその驚異的な強度を発揮するのです。
地震大国である日本において、住まいの足元であるコンクリートに走るひび割れは、家主様の心を最も不安にさせる要素の一つです。ネット上にはエポキシ樹脂による基礎補修を推奨する声が溢れていますが、ただ隙間に液を流し込むだけのその場しのぎの工事では、短期間で同じ場所にクラックが再発してしまいます。
神奈川県横浜市を中心に多くの戸建て住宅の改修に携わってきた株式会社匠美では、目に見える傷口を単に塞ぐだけでなく、お家全体の歪みや構造の悲鳴をトータルで診断し、10年後、20年後もビクともしない超長寿命な補修プランをご提案しています。
コンクリート基礎にひび割れが発生したとき、本当に大切なのは「なぜそこに、その角度でクラックが入ったのか」という原因究引です。例えば、横に走る細いヘアクラックと、縦や斜めに向かって深く入る構造クラックとでは、お家が受けているストレスの向きが全く異なります。
匠美では、基礎だけを部分的に見て「エポキシ樹脂を注入しましょう」と安易に施工を急ぐことはありません。一級塗装技能士をはじめとする経験豊富な専門家が、建物全体の傾き、サッシやドアの開閉時の引っかかり、さらにはお庭の土間コンクリートのズレまで、お家全体を360度くまなくチェックする「お家ドック診断」を実施します。
地盤が不均等に沈む不同沈下(地盤沈下)が本当の原因である場合、どんなに強力な樹脂を流し込んでも、数ヶ月後には応力が逃げ場を求めて隣のコンクリートを引き裂き、新しい割れ目を作ってしまいます。私たちはこうした建物の歪みの「筋」をプロの眼力で徹底的に分析し、無駄な工事費用を一切発生させないための真実をお伝えしています。
| 診断項目 | チェックする内容 | 基礎に与える影響と危険度 |
|---|---|---|
| ひび割れの角度と深さ | 縦方向・斜め方向の貫通した割れ | 構造クラック(雨水侵入による鉄筋サビ・爆裂の危険性が大) |
| 建物の建付け状況 | 窓や玄関ドアの開閉時に引っかかるか | 不同沈下によるお家全体の歪みの可能性(補修前に要地盤確認) |
| 周辺外構のズレ | 犬走りや隣接するコンクリートの隙間 | 地盤自体の動きや土砂の流出による基礎への負荷増大 |
多くの補修業者が語りたがらない業界の裏話があります。それは、コンクリートを強力に接着するエポキシ樹脂は、太陽の光(紫外線)を浴び続けると急速に黄色く変色し、わずか数年でガラスのように脆くなって砕け散ってしまうという致命的な弱点です。多くの現場では、エポキシを注入してはみ出た部分を削っただけの、樹脂がむき出しの状態で工事完了とされてしまっています。これではせっかくの高額な工事費が、3年足らずでドブに捨てられることになりかねません。
匠美では、エポキシ樹脂による注入補修を終えた後、コンクリート表面の下地を「カチオンタイト」と呼ばれる密着性の非常に高いセメント系材料で平滑に整えます。その上から、紫外線や雨水を完璧にシャットアウトする「基礎巾木専用の高級保護塗料」を重ね、下塗り・中塗り・上塗りの合計3回にわたって丁寧に塗装仕上げを施します。
この徹底した保護プロセスにより、樹脂の劣化を極限まで防ぎ、新築時を遥かに超える耐久性と、グレーの美しい美観を長期間キープすることをお約束します。
「工事をお願いしたいけれど、共働きで平日の日中は家を留守にするから、本当に手抜きをせずに樹脂を奥まで注入してくれているか心配……」
こうした不安を抱えるお施主様のために、匠美ではお客様のスマートフォンへ直接現場の様子をお届けする「LINEでのリアルタイム写真報告」を標準化しています。
ポートの設置間隔や、エポキシ樹脂の注入器具がしっかりセットされている様子
雨上がりの湿気(コンクリートの水分)による硬化不良(樹脂の白濁)を防ぐため、水分計を使って完全乾燥を確認した数値データ
巾木専用の保護塗装を1回、2回、3回と塗り重ね、細部まで仕上がっていくプロセス
これらの工事経過を、現場で撮影した生写真とともにLINEでタイムリーにご報告します。まるでご自身の目で現場を見守っているかのような圧倒的な安心感をご提供し、お留守がちなご家庭でも一切のストレスなく、我が家が見違えるほど頑丈になっていく喜びを実感していただけます。
著者 – 匠美
私たちが日々、横浜市を中心に戸建て住宅の点検に伺うなかで、基礎に走るひび割れをご自身で補修しようとして、かえって状態を悪化させてしまった現場を目にしてきました。雨上がりにDIYを敢行した結果、コンクリート内部の水分とエポキシ樹脂が反応して硬化不良を起こし、牛乳のように白濁したままドロドロの状態で固まっていないケースや、注入時の圧力調整に失敗して塗料が庭先に飛散してしまった現場トラブルなど、現場での失敗事例は後を絶ちません。
基礎は住まいの命そのものですが、ネットにある簡単な解説だけを頼りに作業を行い、数年後に紫外線でエポキシがボロボロになり、結局は二重の補修費用がかかってしまう方が非常に多いのが現状です。だからこそ、お住まいの劣化サインをご自身で正しく判定できる基準と、DIYの限界値、そしてプロがどのような技術と保護塗装で基礎を守り抜くのか、その「わかる化」を目指してこの記事を執筆しました。
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