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屋根工事、外壁塗装から住宅リフォーム全般の施工を行っています。

2025.10.23

築年数の経過により外壁の色褪せとひび割れが目立ちはじめ、防水性能の低下が懸念されていました。外観の印象を美しく整えつつ、長期的に住まいを守るため、耐久性と美観を両立できる無機塗料での外壁塗装を実施しました。
| 地域 | 横須賀市 |
| 工事種別 | 外壁塗装工事 |
| 使用塗料 | 無機塗料 |
| 工事内容/内訳 | 仮設足場設置・飛散防止メッシュ養生 高圧洗浄(外壁・軒天・雨樋・破風板) 下地補修・クラック補修・シーリング打ち替え 下塗り・中塗り・上塗り(3工程仕上げ) 軒天・破風板・雨樋・雨戸・水切り等の付帯部塗装 足場解体・最終清掃・完了検査 |
| 費用 | 1,400,000円 |
| 工期 | 約3週間 |
| ご要望・お悩み | お施主様からは「外壁の色がかなり褪せてきたので、新築時のような艶を取り戻したい」というご相談をいただきました。また、「できるだけメンテナンスの手間を減らしたい」というご希望もあり、長期耐久型の無機塗料を採用。色味は、従来よりやや明るめのトーンで清潔感のある印象に仕上げたいとの要望がありました。現地調査では、外壁のクラックや目地の劣化が確認されたため、まずは補修と防水性の回復を重視した施工計画を立案しました。 |
今回の現場は築年数が経過したモルタル外壁で、細かなヘアクラックや経年による退色が広範囲に確認されました。現地調査の段階で、外壁表面はチョーキング(塗膜が粉化して手に白い粉がつく現象)が進行しており、塗膜の密着力が著しく低下している状態でした。このような場合、表面の汚れや劣化層を完全に除去しなければ新しい塗料が本来の性能を発揮できないため、まず高圧洗浄で外壁全体を時間をかけて洗浄しました。特に北面やバルコニー下など湿気がこもりやすい箇所では藻やコケの付着が顕著であり、再発防止を意識して洗浄圧を部位ごとに調整しています。
下地処理の段階では、クラック補修を最重要項目として位置づけました。モルタルの微細なひび割れは雨水の侵入経路となるため、柔軟性のある弾性フィラーを用いて追従性を確保。乾燥後に再度点検を行い、目視と打診で補修跡の密着を確認しました。コーキングは既存のシールが完全に硬化しており、触るとひび割れる状態だったため、すべて撤去して新たに打ち替えを実施。プライマーを適切な量で塗布してからシーリング材を充填し、ヘラで均等に押さえることで厚みと密着を安定させています。
塗装工程では、下塗りに無機塗料専用の高密着シーラーを採用。モルタル特有の吸い込みムラを抑え、塗料が均一に定着する下地を形成しました。中塗り・上塗りには、ラジカル制御技術を併せ持つ無機ハイブリッド塗料を使用し、紫外線による分解反応を抑えることで長期間の美観維持を実現しています。特にこの塗料は、従来のシリコン塗料に比べて耐候性が高く、塗膜の劣化因子である「ラジカル」を発生段階で封じ込めるのが特徴です。塗布量の管理にはウェットゲージを用い、規定膜厚を正確に維持することで塗膜性能を最大限に引き出しました。塗布間隔の乾燥時間も天候に合わせて柔軟に調整し、強風や直射日光の影響を避けながら仕上げています。
付帯部の施工にも妥協はありません。金属製の雨樋やシャッターボックスはサンドペーパーでしっかりケレンを行い、錆止めプライマーを塗布。破風板や軒天などの木部・樹脂部には素材に合わせた下地材を使い分け、全体の統一感を重視しました。また、細かなビス頭やサッシ周りの端部も筆で丁寧に塗り込み、塗り残しのないようチェックを重ねています。
最終仕上げでは、艶の出方や色ムラを確認するため、光の角度を変えながら全体を再点検しました。仕上がりは滑らかで深みのある艶を放ち、見る角度によって柔らかく表情を変える上品な外観に。無機塗料特有の硬質な質感と、防汚性によるセルフクリーニング効果で、今後も長期間にわたって美しさを維持できます。お客様からも「新築のような艶と高級感が出て嬉しい」とのお言葉をいただき、現場チーム全員の努力が実を結んだ現場となりました。
施工前は色褪せと汚れが気になっていましたが、見違えるほどきれいになりました。塗料の説明もわかりやすく、職人さんが一つ一つの作業を丁寧にしてくれて安心して任せられました。工事中もこまめに進捗を報告してくれたので、不安なく完成を待つことができました。特に外壁の艶感と色合いが理想通りで、毎日帰宅するたびに気持ちが明るくなります。



施工前はサイディングの目地部分に経年劣化が見られ、コーキング材が硬化し亀裂が生じていました。紫外線や雨水の影響を長年受けていたため、弾力性を失い、防水機能が低下している状態でした。このままでは雨水が内部に浸入し、下地や断熱材の劣化を招く恐れがあるため、早急な補修が必要でした。まず既存のコーキングを丁寧に撤去し、目地の内側を清掃して下地の状態を整えました。ここでの清掃と乾燥管理が不十分だと新しいシーリング材が密着せず、再劣化を早める要因になるため、時間をかけて下準備を行いました。
施工中は、プライマーを均一に塗布してから新しいコーキング材を充填しました。プライマーは密着性を高める重要な工程であり、塗りムラや塗り残しがあるとシールの剥離につながるため、職人が一本一本の目地に対して丁寧に作業を進めました。充填の際には空気が入らないようガンの角度と圧力を一定に保ち、しっかりと奥まで充填。続いて、ヘラで押さえながら表面を均一に整え、美しいラインを形成しました。この仕上げのひと手間により、見た目の美しさと防水性能の両立が実現します。 施工後は、目地が新しいコーキング材でしっかりと覆われ、弾力性を取り戻しました。目地のラインがまっすぐ通り、外壁との色調のバランスも自然に整っています。補修後は防水機能が完全に回復し、今後は雨水の侵入を防ぐだけでなく、温度変化による外壁の伸縮にも柔軟に対応できる状態になりました。コーキング部分が整うことで、建物全体の印象が引き締まり、美観と耐久性の両面で大きく向上しています。



施工前は外壁全体に経年劣化による色褪せと汚れが目立ち、特に雨樋まわりの付着汚れや排気による黒ずみが顕著でした。既存の塗膜は艶を失い、防水性能も低下していたため、表面に微細なひび割れや粉化が発生していました。放置すると雨水の吸い込みが進み、外壁内部の劣化を招く恐れがあるため、まずは高圧洗浄で旧塗膜や汚れを丁寧に除去し、下地を整えるところから着手しました。
施工中は、下塗りで外壁材と塗料の密着を高める下地づくりを行い、その後中塗りで色を均一に整え、上塗りで最終的な艶と耐候性を仕上げていきました。ローラーの動かし方や力加減を均一に保つことで、塗膜の厚みを安定させ、ムラのない美しい仕上がりを実現しています。また、雨樋部分は素材が樹脂製であるため、下地処理に専用プライマーを使用し、塗料の剥離を防止。配管や継手部分など、塗り残しが起きやすい箇所は刷毛を使い分けて塗り込み、細部まで丁寧に施工を進めました。
施工後は、外壁と雨樋がともに新しい塗膜で保護され、明るく上品な印象へと一新されました。外壁のグレー系の色合いが建物のデザインに深みを与え、白く塗り直された雨樋とのコントラストが全体を引き締めています。塗膜の艶が自然な光を柔らかく反射し、見る角度によって外観の表情が変化するのも特徴です。防水性能も復活し、雨だれ汚れが付きにくく、長期間にわたって美観を保てる状態となりました。今回の仕上がりは、見た目の美しさだけでなく、素材ごとの特性を踏まえた施工管理の徹底によって、耐久性と機能性を両立させた施工例といえます。



施工前は外壁の表面に経年による色褪せや汚れが広がり、目地部分のコーキングにも硬化やひび割れが見られました。外壁材はサイディングボードで、長年の紫外線や雨風の影響を受けて塗膜が粉化しており、手で触ると白い粉が付着するチョーキング現象が確認されました。この状態は塗膜の防水性が低下している証拠であり、雨水の吸い込みによって内部の断熱材や下地を痛めるリスクが高まるため、早急な塗り替えが必要な段階でした。洗浄前に細部まで点検し、外壁の浮きやクラックを見逃さないよう確認を重ねたうえで、作業を開始しました。
施工中は、まず高圧洗浄によって長年蓄積した汚れや旧塗膜の粉化層を丁寧に除去しました。洗浄後は乾燥期間を十分に確保し、塗料がしっかりと定着する下地を整えています。その後、下塗りでは密着性を高める専用プライマーを使用し、外壁材との一体化を図りました。中塗りでは塗膜の厚みを均一に整え、上塗りで最終的な艶と発色を引き出すために塗り重ねを実施。特にサイディングの目地部分や凹凸のある模様は塗料が入りにくいため、ローラーの角度と圧力を微調整しながら塗布し、細部まで塗りムラのないよう職人が手仕事で仕上げています。乾燥の合間には塗膜表面の確認を行い、塗り残しや艶ムラがないかを厳しくチェックしました。 施工後は、外壁全体が均一な艶を取り戻し、色合いが落ち着いた上品なグレートーンに統一されました。外壁表面にはしっかりとした塗膜の厚みが形成され、光の角度によってやわらかく反射する質感が印象的です。汚れが付着しにくい低汚染性塗料を採用しているため、今後は雨だれや埃が付着しにくく、長期間にわたり美しい外観を維持できます。防水性能も回復し、風雨や紫外線にも強い外壁へと再生されました。建物全体の印象が引き締まり、外観だけでなく機能面でも新築同様の性能を取り戻した施工です。
無機塗料による外壁塗装を美しく、かつ長持ちさせるためのコツは、塗料の特性を理解したうえで、下地処理から塗布工程までを精密に管理することにあります。無機塗料はシリコンやフッ素を超える耐候性を持ち、紫外線や雨水、熱による劣化を受けにくいという大きな利点がありますが、その性能を引き出すためには、施工環境と下地の状態を見極める職人の技術が欠かせません。特に密着性の確保が最も重要で、下地に古い塗膜の粉化(チョーキング)や汚れが残ったまま塗装すると、いかに高性能な無機塗料でも剥離や浮きが起こります。そのため、高圧洗浄で表面を完全に清掃し、乾燥時間を十分に確保してから作業を進めることが基本となります。
また、無機塗料は非常に硬質な塗膜を形成するため、ひび割れが起きやすいモルタル外壁やサイディングの目地部では、弾性下塗り材を併用して塗膜の追従性を確保することが大切です。下塗りには、素材に合わせた専用のシーラーやフィラーを選定し、吸い込みムラを抑えることで、塗膜の密着を安定させます。塗布量の管理も重要で、無機塗料は一般的なシリコン塗料よりも粘度が高く、規定膜厚を守ることで耐候性と艶感が均一になります。塗装時には気温・湿度の変化に注意し、乾燥が不十分なまま次の工程へ進むと、塗膜内部に気泡が残り仕上がりにムラが出るため、天候に合わせたインターバル管理が求められます。
さらに、無機塗料の美しい艶を最大限に活かすためには、ローラーや刷毛の使い分けにも工夫が必要です。広い面ではローラーで均一に塗り広げ、細部やサッシまわりは刷毛で丁寧に塗り込むことで、塗りムラや段差を防ぎます。特に艶あり仕上げの場合は、光の反射がムラを目立たせるため、最終工程での仕上げ方向を統一し、艶の流れを整えることが職人技の見せどころです。 無機塗料は一度塗装すると15〜20年近くメンテナンスが不要になるケースも多く、長期的に見ればコストパフォーマンスの高い選択肢です。しかし、塗装前の診断・下地処理・塗布管理・乾燥環境といった工程を怠ると、せっかくの高性能が発揮されません。つまり、無機塗料のコツとは、素材の性質と環境条件を読み取りながら、職人が一工程ずつ確実に仕上げていく“緻密な積み重ね”にあります。この積み重ねこそが、外壁を長期にわたり美しく守り抜く最大の秘訣です。